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第11話:魔王〈中編〉
前回までのあらすじ…。
魔王との面談の日になって、とってもいや~な一日が始まってしまったこのはちゃん。
渋々ドレスを着て、向かったはいいものの嫌な予感が…。
その予感は的中!!魔王の間の門前でオーク率いる数人の精鋭がか弱い(笑)女の子達に襲い掛かる…!!
どうなる、このはちゃん達!
うん。
あらすじ、こんな感じだろう。
ん?なんか、変なの混じってる?
いや、事実ベースだけど?
確かに、省略はしたけど…。
事実だよ?
っと、考えているとオークこと皇太子くんのお顔が真ん前に立っていた。
「っひ…」
正直久々に嗅ぐ、汗や油のような匂いや豚鼻、細い目、二重あごなど凄くモテない要素しかない皇太子に少しだけ恐怖心がでた。
「おい、皇太子だか何だか知らねえがそれ以上俺の主人に近づかないでくれるか?」
フミが、刀の柄部分に手をかけながら皇太子を私から引き離そうとしてくれた…が、数的に皇太子のほうが有利のため気にせず離れようとせずじろじろと顔を見てくる。
そして、しばらく観察すると皇太子が口を開いた。
「お前、ブスだな」
…
「棗、後処理お願いしていい?」
「駄目です」
「フミは?」
「うーん、ムカついたけど我慢」
くそぉ、駄目か…。
「分かった…。我慢する…先っぽだけ」
「駄目です」
「駄目だ」
駄目かぁ…。
言われぱなしで不服だが、私は我慢し魔王の間へと向かった。
「ブスなうえに、チキンかよ」
「…ふん!!」
私は、地面が少しえぐれる程強く地面を蹴り風魔法で覆った拳で豚の顔面に重い一撃を入れてやった。
騎士たちが一瞬、混乱したが私を悪人と決めつけたのか剣を抜いてきたので地面を蹴り土魔法で騎士のあごめがけて魔法を放つ。
丁度いい場所に当たったのか、騎士は空を少し舞い気絶した。
その間に、あたふたしてるメイドさんに少し笑顔を見せて吹き飛んで壁際に行った豚に歩み寄る。
「ねぇ、豚…女の子に、ブスだのチキンだの…言ってんじゃないよ!皇太子だか、なんだか知らないけどさ…オークの分際で、共通語話さないでくれる?汚れが移る」
「なっっっ…ボク、をだれだ…」
「ふん!そもそも、可愛い年頃の女の子にさブスとか失礼じゃないの?ねぇ?」
「また、ぶった」
「何度でも、殴ってあげるよ。豚が!」
フミや、棗は少し遠い場所で私たちを監視し少し呆れてる気がする。
豚のメイドさんたちは、おどおどとどうすれば良いのか迷っているようだ。
そんな間に、騒ぎを聞きつけた近衛騎士団なのか分らないが騎士さん達が私と豚を引き離しそれぞれに事情徴収を始めた。
「不服」
「あんだけ騒げば、このはの方が悪くなるって分りきってただろ?」
そう、フミの言う通り私が悪いと言う事となり騎士団の人たちにこっぴどく叱られた。
「ふつーに考えたら、あの豚が悪いでしょ?だって、私にブスだとかチキンとか…それで殴られないとでも思ってんのかって話でしょ?」
「一里…いや、圧倒的にこのは様が正しいのですが…状況も見ていない騎士団は権力の強い皇太子の方についたと言う事でしょう。」
そういう棗の声には、少しばかリ不満が乗っている気がした。
「…それよりも、今は魔王様の所に急がねばなりません。面談の時間が大幅にずれていますので…」
そう、今回魔王城に来たのは魔王に会いに来たからだ。
そんな中、あんな豚に構ってしまったので面談の予定時刻から大幅にずれ今2時間遅れとなっている。
魔王が私の聞いた通りの人物なら多分、殺されるだろうが…。
少しでも、優しいことを願うしかない。
そう思いながら、歩いていると私たちは再び魔王の居る門の前に着いた。
室内で、魔王が怒っているのか…この門を開けないほうがいいと思うほど身体が寒い気がする。
「ね、ねえ…このまま引き返さない?」
「それもそうだな…あはは…」
「お二人とも、行きますよ?」
私とフミは引き返すことに賛成したが、棗によりそれを阻止され…フミは、腕を捕まれ私は棗の小脇に抱えられた。
「じゃあ、棗一人で行ってよ!!私、ここに入ったら死ぬって思うんだけど!」
「俺も同じだ!こんな場所居てられるか、俺は帰らせてもらう」
「なんだ?入らずに帰るのか?」
「殺気が怖いんだもん!しかたないでしょ!」
「そうだ!そうd…え…なんで、貴方様がここに?」
そう、フミが少し震えながらいう。
私が、疑問に思いながら頑張って後ろを向くとそこには一人の男性が立っていた。
「な、棗おろして」
「はい、分りました」
私は、棗の小脇から命令で抜け出し男性をまじまじと見る。
黒い髪に、黒い執事服みたいな…服装。
頭には角があり、魔族であることが一目でわかる。
「…誰?」
私の問いに、棗が真っ先に口を開いた。
「このは様、こちらが今回面談予定で二時間も遅れてしまった…魔王様本人です」
…は?
多分、次回から書き方変わります。
引き続きお楽しみいただけるように、精進いたしますのでこれからもご愛読の方宜しくお願いします