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Prologue
ちょっと去年の自撲下手すぎて萎えたので新シリーズ作成しました!
こちらも頑張って投稿しますっ…!!
はぁっ…今日も塾…。
詰まらない。別にそんな訳じゃないけど…
少しぐらい休ませろってな。
ま、今更なんだって話。
どうやって死のうかなぁ…んぁ、そうだルーレットで決めよっかな。
「んとパソコンパソコン…どこだ…ん~…ぁ、あった」
死に方の候補は考えてある。
溺死に落下死に包丁を刺して出血性ショック死するかオーバードーズかな…
「回す…かな」
いっそのこと塾がある今日、死んでみようかな…
何もない日に死ぬだなんて、勿体ない。
ルーレットが『溺死』そう書いてあるホイールに止まった。
「溺死か…」
風呂で溺死なんか、勿体ないし、格好悪い。
海が一番いい。海へ行こう。
「ちょっと…っ!?慧、斗!?」
扉へ目を向けると、そこには目を大きく開けた母さんが立っていた。
足は震えていて、いまにも倒れてしまいそうだ。
「ぁっ…母さん…これは……っ」
やばい…ばれた…
こんなんじゃ止められる。
嫌だ。
今日死ぬって、今日、絶対に死ぬって、決めた。
「なにそれ…私の何が悪かったの!!何がいけなかったの!!」
そういって、母さんは子供のように泣き出した。
(何で母さんが泣くんだよ!辛いのは俺なのに。苦労したのは俺なのに!!)
憎しみが沸き上がってきた。
そんな思いとは裏腹に口に出た言葉は全然違った。
「ごめん…あの、これは…ただ、遊びでやっただけで…」
少しの沈黙。
「そう……」
返事に困る。
母さんは俺の部屋から出ようとはしないし、この状態で変に動いたら怪しまれるだろう。
きっと止められる。
必死に言い訳を考える。
「ぁ、あの…さ……友達の家、行っていい?」
こんなんじゃ怪しまれる。
無理だ。
そう思ったら意外な返事が返ってきた。
「うん…6時の塾までには、絶対に、帰ってきなさい」
まったく馬鹿な母親だ…
こんな母親のもとに生まれてきたから、こんな変な人生だったんだ。
友達の家行くふりして死ぬかもしれないっていう考えはなかったのだろうか。
でも、これで海へ行ける。
死ねる。
(海行くかな…)
「行ってきます…」
行ってきますとかぶせるように
(さようなら)
心の中でつぶやく。
暗いし誰かに見つかんないように死ねる
そう思って、海へと向かった。
黒く波打つ海を覗く。
黒く、底の見えない海は、とても怖いものだった。
勇気を出して飛び込もう。
そう思った。
片足を海に触れさせる。
冷たい。
だけど丁度良い。
冷たければそれだけ早く死ねる。
嫌な思い出がなくなる。
両足を入れる。
さぁ、飛び込もう。
「ちょっと君、何してるんだ!!」
(あれ…)
身体が動かない。
「危ない!!!」
俺を追いかけてきたおじさんが勢いを余って俺にぶつかる。
お前も落ちるぞ。
そう思った瞬間。
俺だけ海に落ちた