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花吐き病
奇病に手を出したvllrです(ここだけ見たら怪文書)
ちゃんとシリーズの方も書きますから
ねっ?(本当ごめんなさい)
主人公…奏 女の子 高校生
何もかも
あなたのせいなんだよ
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朝。
くあー、と、女子力のかけらもないような大きな欠伸をする。
そのまま上半身だけ布団の上で起き上がり、私はわしわしと、短い髪の毛を掻く。見れば、時間は7:03。
「…起きねば…」
平日だから、動かないといけない。動きたくないのになあ。
よ、と少し腕で体を押しながら起き上がる。と同時に、そのちょっとした動作で体が揺さぶられ、何故か強烈な吐き気が込み上げてきた。
「うっ……っぅぇっ………」
脇目も振らずトイレに駆け込み、嘔吐する。涙で目の前が霞む。最悪だ、こんな1日の始まり方。
ぱらっとパジャマの袖で涙を払うと、異様なものが目に入った。
白い便器に広がる、真紅の花弁。
(…花弁!?)
うそ、こんなものが、なんで私に体内から、
気持ち悪い。吐き気とは違った、本能的な気持ち悪さだった。
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「ふふっ…そんな年かあ〜」
「……」
いや、なんで。
なんで、お母さんは実の娘が花弁吐いて困り果ててるっていうのに、体をくねらせて嬉しそうにしてるんだ。
と、思っていたら。
「それ、《花吐き病》よ。
…片思いを拗らせると、発症しちゃう病気。奏も、恋しちゃったのねー
大丈夫よ、可愛いから!ね?告白してきなさーいっ!
恋が実ったら、最後に銀の百合を吐いて、病気は治るんだって。凄くロマンチックじゃない?それって。」
「まあ確かにそうかもしれないけどさ…当事者としては…」
「あ、ごめん〜やっぱり気にしてた?」
お母さんがこの症状について詳しく説明してくれた。
なるほど確かにロマンのある病ではあるが。
治りはしないだろう。
告白してきな?
お母さん。
そんな単純だったら花吐き病になったりしないよ。
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気がついた時には、あなたのことを考えて
気がついたらあなたを見ていて
絵を描くことが好きで買ったスケッチブック、いつしかあなたのデフォルメイラストだらけで
理由をつけては話しかけて
そばにいて、それなりにボディータッチして。
でも、でも、でも。
「…梨紗ちゃん。」
「なあに?奏ちゃん」
なんであなた女の子なんだろ。
でも、私はあなたが女の子じゃなかったら、きっと好きになっていなかったよ。
普通に男の子が好きだった。それまでは。
でも、あなたと出会ってから、変わったんだ。
その仕草、声、髪、顔、全部全部好き。
でも、私だって女の子。
男の子に見えるようにしたいけど、もちろん梨沙ちゃんのためで、心は全くの女の子だ。
じゃあなんで、好きになったの?
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この恋を叶えるのが怖い。
告白したら、どうなるの?
いつものあいさつ、いつもの軽いスキンシップ。
あなたのことが好きでそうしてたんです、って言ったら、嫌われる?
気持ち悪いと、思う?
じゃあ、動けない。
動いたら脆く砕けてしまう。
あなたの態度が、私を見る目が
変わってしまうことが何より怖い。
なら、私は薔薇を吐き続けるしかないんだ。
「奏ちゃん、行こう!」
ああ、辛い。
吐きそう。
お久しぶりです!
最近気力が全く持たない、vllrです。ごめんなさい。
しかも、久しぶりに書いたから下手になってる…のか…?
さて
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!