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約束
__大切な人と別れることになったらどうしますか?__
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ある時。
将来、地球に巨大な隕石が衝突する、ととある宇宙機関の研究員が声明を出した。
だが、それほど名も知れていない研究員の声明を信じる者などいる訳が無い。
世界中でくだらない冗談だ、と嘲笑われ、その声明は闇に葬られた。
声明が消された後、その研究員も姿をくらませた。
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そこから少し時が経った頃__
あるニュースが、世界中を混乱に陥れた。
半年後、『地球に巨大な隕石が衝突する』、と。
初めは前と同じように冗談だと捉える人が多かったのだが、世界的な宇宙機関がデータを確認した所、それが事実だと、しかも半年後ではなく3ヶ月後だと判明したのである。
その上、巨大隕石だけでなく、沢山の隕石が世界中に降り注ぐんだとか。
闇に葬られた研究員の声明のデータを必死で探し出し、解析すれば研究員が予測したのは完璧に同じ時、つまり3ヶ月後であった。
世界中は大混乱。
各国で協力し、隕石の研究を進めたが、人間が生き残る確率は限りなく0%に等しい、と。
そんなこんなしているうちに、残り1ヶ月。
1/22、世界は終わる。
各国で会見を開くまでにもなったのだが…
絶望した人類は生き延びる事を諦めた。
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時を同じくして__
「ねぇ、阿部ちゃん。隕石落ちんのガチなん?」
「いや、俺も分かんないよ…でも多分、落ちると思う」
そっか、と誰かが呟き、その場の空気は暗くなった。
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残り一週間。
刻々と迫ってくる、世界終了のカウントダウン。
その恐怖に耐えられず、自ら命を絶つ人も続出。
医療機関などはもう既に機能せず、そこら辺で人が倒れている。
街には鼻を突く、血の匂いが広がっていたり。
外に出れば、道路に血がついてたり。
人の悲鳴が響いたり。
目の前で突然、人が倒れたり。
世界の人口は100万人近くへと減っていた。
様々な世界の都市も荒れ果て、そこら中で子供の泣き声が響き渡っている。
動物も危険を察知しているのか、穴を掘って隠れたり、海の奥深くに潜っていたり…
最後まで逃げる方法を探す者もいれば、自分の所持金__ありったけをばら撒く者も。
家の中でぼーっとしてぴくりともしない人、車の往来が止んだ道路で大の字になって動かない人。
まともに何も食べず、餓死しかけている人やマンションの目の前で飛び降りでもしたのか倒れている人。
世界はもう、『世界』では無かった。
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隕石墜落、当日。
絶えず悲鳴が響き渡る街。
一方。
世界の終わりの日だとは思えないほど、世界で唯一と言ってもいいほどのんびりとした場所があった。
河川敷。
深澤辰哉、佐久間大介、渡辺翔太、宮舘涼太、岩本照、阿部亮平、向井康二、目黒蓮、ラウール。
その9人が空を眺め、仲良く談笑していた。
蓮「あーあ。世界終わっちゃうんだね」
あんなにも苦労した人生。
やっと掴んだ|希望《デビュー》。
__なのに。
世界は、それほど甘くなかった。
世界が終わると知った時、全員で泣いた。
顔を合わせる度、誰かが泣き、それはみんなにも伝染し、結局みんなで泣く。
1週間は少なくともそんな生活だった。
今日………1/22には、涙は枯れていた。
しかし、泣けないのに、どこか寂しい気持ちが胸に広がっていた。
ラウール「ね。実感が湧かない、と言うよりかはもう気が楽、っていうか」
康二「意外にも終わるときってこんなに気楽なんやなぁ」
へらっと笑いながら言う康二。
その笑い声のどこかに悲しそうな響きがある。
大介「なんかここまで来るとどーでもいいことが悔やまれるよね…www」
照「分かるかも。俺のプリンとか」
康二「俺のショートケーキもな」
涼太「懐かしいね」
翔太「そうだな…」
亮平「あーあ。結局あの数式の解き方思い出せないや、とかね」
それは無いな…と周りが苦笑する。
辰哉「せっかく雪積もってるし、《《雪だるま》》でも作んない?」
1/22……冬。
本来なら子供たちが雪遊びで忙しない頃合いの筈。
例年はこの河川敷は大人気で、沢山の雪だるまが行列をなしているのだが…
今年は、純白の雪が河川敷の芝生を覆っているだけ。
ラウール「いいね。河川敷、今日は俺らの物じゃん‼︎」
無邪気な笑顔を浮かべるラウール。
蓮「どれぐらいでっかいの作る⁉︎」
張り切って立ち上がる蓮。
照「そんなに大きくなくてもいいし……佐久間ぐらい?」
大介「おぉーい⁉︎」
爆笑が巻き起こる。
それをわざと止めるかのように一斉放送が流れる。
『あと1時間で隕石が衝突します 早めの避難を』
照「よし、時間もねえし作るぞ〜‼︎」
おぉー、と声が上がる。
20分後。
綺麗な雪だるまが河川敷に出来上がった。
翔太「出来たな」
涼太「ね。久しぶりだったな〜」
亮平「楽しかった…けど疲れた」
そう言って河川敷に腰を下ろす阿部。
みんなもそれに|倣《なら》い、河川敷に座る。
大介「…あ、星」
遠くの方で、微かに小さな光が走った。
数秒後、爆発音が耳に届く。
一瞬、周辺が静寂に包まれ、誰かの悲鳴を皮切りに爆発があった方と正反対の方向に人の移動が始まる。
5分も経たないうちに、移動は終わり、この街に人は9人以外いなくなった。
康二「ええん?移動せんで」
不安そうに瞳を揺らす康二。
照「無駄に動いても結局駄目なものは駄目。9人でゆっくり終わろうよ」
それもそうか、と康二が表情を緩める。
段々と星は量を増して地球へと降り注ぐ。
どん、とか、きゃー、とか。
悲痛な音が聞こえてくる。
亮平「そうだ。せっかくだし、お願いしない?こんなにも流れ星があるんだし、3回唱えるのも簡単じゃない?」
通常だったらそのような部類の物は信じない筈の阿部が提案する。
いいね、と声が上がる。
翔太「何お願いすんの?」
涼太「…意外に難しいね」
辰哉「そうだ。『次この世界でまた、9人が出逢えますように』とか?」
照「いいじゃん。でも叶うのかなぁ」
蓮「叶う、じゃなくて叶えるんでしょ?そもそも、俺らは1人じゃないじゃん。…ひとりじゃないって」
SnowMan「「「「「「「「「最強だ」」」」」」」」」
蓮「でしょ?9人も願ったら叶うに決まってんじゃん」
何度も俺たちを救ってくれた|このフレーズ《1人じゃないって最強だ》。
ラウール「不安なら指切りもしよ?」
そうだね、と声が上がる。
丁度その時。
『現在地は約10分後、隕石の墜落が予想されます』
と放送が流れる。
それと共に、より激しく星が流れる。
先ほどよりも少し近くなったような…と感じる一同。
康二「ほら。お願いせえへんと」
次に流れてきた少し大きめの星に手を合わせ、心の中で3回。
願いを唱える。
辰哉「願い、唱えられた?」
SnowMan-辰哉「「「「「「「「もちろん」」」」」」」」
大介「じゃ、次指切り‼︎」
そう言って佐久間が突き出した小指に全員が自分の小指を絡ませる。
…だが、どれが誰の小指なのか分からない。
結構|混沌《カオス》な状態。
涼太「…じゃ、雪だるま中心にして円陣組もうか」
そうだね、とみんなが賛成し、雪だるまを囲うようにして円陣を組んだ。
照「なんて言えばいい?」
亮平「んー…じゃあ、『ひとりじゃないって』まで照が言って、『最強だ』をみんなで言おうか」
了解、と照が小さく呟く。
照「ひとりじゃないって‼︎」
SnowMan「最強だっ‼︎」
9人でそのフレーズを言い終えた途端、大きな音を立てて、眩しい光が降り注いできた。
汗が滴り落ちる…いや、蒸発してしまうほどの熱波が襲ってくる。
割れそうな音の地響きと共に、大地が揺れる。
大地の揺れと共に、雪だるまが不安定に揺らぎ、暑さで溶け始める。
円陣で囲った雪だるまが崩れて跡形も無く消えたのを最後に、視界は闇に包まれた。
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時は戻り、現在に至る。
今をときめくアイドル、《《SnowMan》》。
9人で活動しており、《《1/22》》にデビューを果たした。
メンバーは……
もう分かると思うが。
深澤辰哉、佐久間大介、渡辺翔太、宮舘涼太、岩本照、阿部亮平、向井康二、目黒蓮、ラウール。
その9人である。
MC担当リアコ__深澤辰哉。
ネタバレを許さない男__佐久間大介。
美声で黙らせる男__渡辺翔太。
彼が止まれば時も止まる__宮舘涼太。
Mr.甘党マッチョ__岩本照。
インテリあざと男子__阿部亮平。
甘えん坊Photo Boy__向井康二。
今世紀何してもキマる男__目黒蓮。
最強で最長の最年少__ラウール。
彼等は、SnowManとして活動していたのである。
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少し時を遡って…
俺、深澤辰哉は驚いた。
目の前に居るのが、いつしか見た、あの3人だ、と言う事に。
岩本照、渡辺翔太、宮舘涼太だ。
目が潤み、視界が霞む。
辰哉「ぇ、ぇ、、、」
学校という公の場で叫びそうになった。
見た目も同じ、名前も同じ。
何と言う運命の巡り合わせなのだろうか。
しかも、俺ら4人とも前世を憶えている。
もう凄すぎて、1日中みんなで泣いた。
そこから4人でシェアハウスを始めた。
ある日の事。
ピーンポーン
インターホンが鳴る。
照が外に出る。
かちゃり、と玄関のドアが開く音と共に、照の叫び声が聞こえてきた。
照「ええぇっ⁉︎」
辰哉「照⁉︎」
照「ふっか、翔太、舘さん、ちょ、来て‼︎‼︎」
玄関に行けば……
阿部亮平と、佐久間大介…⁉︎に似た人…?
とにかくその2人にそっくりな人が玄関に居た。
いや、名前は違うかも知れないし、全くの赤の他人かも知れない。
辰哉「あべちゃん…と、、、さくま…⁉︎」
しかし、驚きで思わずそうこぼしてしまう。
大介「ふっか‼︎ひかる‼︎翔太‼︎舘さん‼︎」
亮平「嘘でしょ…やっぱり…⁉︎」
6人で抱き合って、感動の再会ってやつ。
この2人も前世の記憶有り。
俺らがシェアハウスしている、と言うことは俺らの学校だけでなく、色んな所で結構有名だったため、学校が違う2人だが、噂を聞きつけてやってきたとか。
あっという間に俺らの家(自称深澤家)の仲間入り。
毎日がより騒がしく、楽しいものになった。
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少し時が経ち…
俺、岩本照は体力づくりのためにジョギングをしていた。
道端にカメラのレンズキャップ…?見たいな物が落ちていて、どうせ通る道に交番あるし、拾って預けにでも行こうかな、と思って手に取った。
公園(というより広場)を通った時だった。
1人の男性…いや、男子か…?がキョロキョロと辺りを見回して、何かを必死に探していた。
なんか今日こう言うの多いな…
でも、この人カメラ持ってるからもしかしたらこれを探してるのかも?
照「すみません、なんか探してるんですか?」
?「あー…カメラのキャップ無くしちゃってな?今それを探してるん…‼︎」
こっちには目もくれず話す少年だか青年。
何処かで聞き覚えのある、関西弁。
…まさか。
照「…ぇ」
?「お願いやから探すの手伝ってくれへ…」
そのタイミングで俺の方を向く。
…康二だ。
向井康二…‼︎
照「…康二⁉︎」
康二「て、て、て、照にぃ⁉︎⁉︎」
相当驚いたのか、さささっと後ろに後退りする康二。
そこで下がりすぎて花壇の縁にぶつかる。
康二「あっ」
くらりとバランスを崩す康二。
慌てて康二の手を取り、もう片方の手を康二の背中に回す。
間一髪、倒れる前に救えた。
照「…大丈夫?」
康二「ごめんなぁ、でもありがとな‼︎」
照「うん」
康二「…で、ほんまに照にぃなん⁉︎」
照「うん、岩本照だよ」
久しぶりの照にぃ呼びがちょっと嬉しいような、くすぐったいようなで思わず笑みをこぼしてしまう。
康二「ほんまに…逢えんかと………」
それだけ言って、泣き崩れる康二。
昔から泣き虫…いや、涙もろいのは変わんないな、と思った。
|前世《まえ》と同じように、康二の背中をテンポよくさする。
これさえすれば、ちょっとしたら落ち着く(はず)。
照「そろそろ康二落ち着いた?」
康二「うん、でも…だって、聞いてや‼︎」
少し怒り気味に言う康二。
照「うん、いいよw」
康二「だって‼︎逢えへんと思うやん‼︎物心ついた時なんてな、俺だけ一人でこの世界に戻ってきちゃった思うやん‼︎約束叶えられへんと思うやん‼︎ほんまに今までの人生悲しかったんやで……」
またじわりと目に涙を浮かべる康二。
照「…たしかにそれは俺も思った。もう逢えないって。康二一人でよく頑張ったね〜」
そうやって褒めれば、また泣き始める康二。
康二「照にぃ………」
照「あ、そういえば、探してたキャップってこれ?」
康二「…あ、これや、これ俺のや…ありがとな」
照「康二カメラ好きなの変わんないね。何撮ってるの?」
康二「まだなんも撮ってへん」
照「…え?」
康二「俺、決めてるんや。このカメラで1番最初に撮るのは、9人の集合写真てな」
照「…うん、そっか」
康二「照にぃって今どこ住んどるん?」
照「あ〜…あそこの家」
康二「うわ‼︎めちゃめちゃ豪邸やん‼︎ええなぁ」
…まぁシェアハウスしてるからね。
しかも、9人で暮らすっていう想定して。
照「康二も来る?…ていうか泊まる?」
康二「えっ、ええん⁉︎今行ってもええ⁉︎」
照「うん、来ていいんだけど親とかは…?」
康二「一人暮らしやねん、大丈夫や。服とかは取ってきてもええ?」
照「うん、そうして。俺はここで待ってるから…あ、でもカメラは持っといた方がいい気がする」
康二「なんでや?」
照「一応、俺も9人のうちの一人だし?なんか撮れるかもしれない」
康二「…せやな。ていうかこの子と離れるのいややし」
照「待ってるね」
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時を同じくして…
俺、深澤辰哉は電車に乗っていた。
疲れたな、なんてぼーっとしてたら、左肩に何かぶつかる感覚。
そこからじんわりとぬくもりが広がっていくのが分かった。
これは誰かに頭のせられてるな。
この深澤辰哉に頭のせるような奴は誰だ…?w
そう思って左を向けば………
辰哉「…⁉︎」
めめ。
目黒蓮じゃないか…。
いや、そっくりな人かもしれないけど。
目黒蓮みたいなイケメンは中々いないって。
学校帰りなのかなんなのかわからないけど、相当疲れているみたいで、目の下にはくっきりとした隈。
頬も少し痩せこけてるし…
起こさないようにそっと顔の輪郭をなぞる。
結構痩せてるじゃん…
|前世《むかし》っからこういう頑張りすぎちゃう所は変わんないんだな。
目にかかっている前髪を払ってあげる。
可愛らしい寝息を立てて眠るめめを見て、思わず笑みをこぼす。
どっちかが降りるまでこの状態のままか。
天国じゃないか。
その状態で電車に揺れること、約20分。
俺らの家の最寄駅にまもなく到着である。
と、そこで、めめがもぞもぞと動き始めた。
同じ駅だったりして…?
蓮「ん~………」
辰哉「…」
隣でめめがぱちりと目を覚ました。
やっぱりめめはめめだ。(どゆこと?)
めめが俺の肩に頭をのせてたことに気づくと、さあっと顔が青ざめる。
蓮(?)「ぇ、ぇと、すみ、、、ませ、、ん、、、」
ぺこり、と慌てて小さくお辞儀するめめ。
辰哉「めめ」
蓮(?)「へっ⁉︎」
めめが驚いて、顔を勢いよく上げる。
辰哉「めめ、久しぶり」
蓮(?)「ふっか…さん…⁉︎」
辰哉「あ、電車一回降りようか」
蓮(?)「あ、はい…」
電車を降りて、ホームのベンチに並んで座る。
辰哉「めめでしょ?目黒蓮」
蓮「はい…めめです…w」
自分でめめって言ったのがちょっと面白かったのか、ふふっと笑うめめ。
辰哉「久しぶりだね、めめ」
蓮「…もう、、、逢えないかと…」
辰哉「そう思うよね…」
蓮「前世…思い出した瞬間絶望しましたもん」
辰哉「うん。俺も絶望した」
蓮「ふっか、、、、さん、、、」
辰哉「うんうん。突然だけど家来ない?」
蓮「えっ?」
辰哉「無理…?」
蓮「いや、全然構わないんですけど…一人暮らしだし…お邪魔しちゃっていいんですか…?」
辰哉「…www」
蓮「…?」
辰哉「なんでそんな敬語なの…w」
蓮「…たしかに」
こういう天然な所も変わんない。
辰哉「とにかく家来い。w」
蓮「分かり…分かった」
辰哉「泊まりで大丈夫?」
蓮「…いいの?」
辰哉「もちろん」
蓮「ありがとう…‼︎」
辰哉「んじゃ。俺の家行こうか」
蓮「ちょ、ちょっと待って?家から色々取ってきてもいい?」
辰哉「あ…‼︎うん。もちろん」
蓮「ありがと‼︎」
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またまた時を同じくして…
俺、渡辺翔太は涼太と買い物に行って、帰り道を歩いていた時のこと。
前をものすごくすらっとした、でかい男の人…?が歩いていた。
翔太「あの人めちゃくちゃでかくね…⁉︎」
涼太に囁く。
涼太「ね」
と、その時。
俺らの足元に財布が落ちた。
多分、あの人の持ち物だろうな。
翔太「あの〜…すみません」
?「…ぇ、はい」
翔太「財布…って、、、、え⁉︎ラウール…」
?「しょ、翔太くん…⁉︎舘さん…⁉︎」
ラウールだ。
我らが最年少、ラウール…‼︎
ラウール「嘘でしょ…⁉︎」
涼太「ほんとほんと。ゆり組…w」
ラウール「えええ…‼︎」
そう言って俺らに抱きつくラウール。
可愛いな…なんて思ったり。
ラウール「逢えて…嬉しい、、、ラウール、だよ、、、」
翔太「そんなの、見れば分かるに決まってんだろ…っ、」
5分ぐらい歩道で抱き合う。(通行人には変な目で見られたが)
ラウール「ねぇねぇ、今2人ってどーゆー生活してるの?」
翔太「えっと…シェっ」
シェアハウスしてると言おうとしたところで涼太に口を塞がれる。
そして、耳元で、
涼太「そういうのはサプライズにしよう?」
と囁かれた。
ラウール「シェ…?」
翔太「まぁ…普通って感じの生活。生活って言おうとしたらシェって言っちゃった」
ラウール「…あー。」
ちょっと納得してなさそうな顔。
逢ったのが目黒だったら騙せてたかもな。
…目黒、元気にしてるかな。
康二も。
まぁ仕方ない。
涼太「それよりさ、うちに来ない?」
ラウール「え?いいの?」
涼太「料理振舞ってあげる」
ラウール「マジで⁉︎嬉しい‼︎行く‼︎」
翔太「親とかは大丈夫なの…?」
ラウール「ついこの間独り立ちしたの」
涼太「じゃあ泊まりで来る?」
ラウール「いいの?行く行く‼︎」
この時はまだ、9人全員が今日家に揃う事を知らなかった。
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岩本side
康二「終わったで〜‼︎」
公園に向かってダッシュで手を振りながら来る康二。
照「準備できた?じゃあ行こうか」
2人で俺らの家(ふっかによると深澤家らしい)に帰る。
カードキーを認証部分に当てれば、かちゃりとドアが開く音。
(オートロックだから阿部がめちゃくちゃ困っていた。)
照「ただいま〜」
康二「…それ誰に言うてるん?」
あべさく「「ひかる、おかえり〜」」
康二「…え、え?………うそやろ…?」
照「ちょっと阿部、佐久間、おいで‼︎サプライズ‼︎」
康二「あべちゃん、、、?さっくん、、、?…ほんま………!?」
亮平「まじ?」
大介「なになに?」
そう言って玄関に来た佐久間と阿部。
あべさく「「康二‼︎」」
康二「阿部ちゃんにさっくん…‼︎うわああああああああんっ、もう逢えへんかと思うたや〜ん!!!!!!」
3人で抱き合う。
照「ふふっ」
その光景に笑みをこぼす。
大介「久しぶり…康二‼︎」
亮平「やっと逢えたね…」
康二「ぐすぐすっ、もぉ〜…照にぃ、阿部ちゃんとさっくん居るなら先言うてや‼︎」
照「この方が驚きもあって嬉しいでしょ」
康二「それはそうやけど…ぐすっ、」
照「ちなみにこの家にはふっか、翔太、舘さんも住んでるよ」
康二「ほんま⁉︎ふっかさんの変顔に、しょっぴーの『うわっ‼︎』、舘さんの料理を楽しめるん⁉︎」
照「うんwww」
康二「やったあああああ‼︎俺、幸せや……もう最高やん…」
と、そこで、鍵が開く音がまたする。
ふっかかな。
辰哉「ただいま〜」
地味ににやけている。
なんかあったのか。
あべさくいわこじ「「「「おかえり〜」」」」
辰哉「……あれ、…えっ、こ、康二⁉︎嘘⁉︎」
康二「ふっかさーん‼︎やっと逢えたやん…‼︎うわああああああっ、」
大介「また泣いちゃった」
辰哉「久しぶりだね、康二…」
康二「久しぶりに逢えてもう…ほんま嬉しいしかないやん…ぐすんっ、」
辰哉「じゃ、更に嬉しいをプレゼントしちゃおっ♪」
ドアの陰から、ひょこりと人が現れる。
…目黒じゃん………‼︎
「「「「めめ⁉︎」」」」
蓮「ぇ…みんな…⁉︎…え?阿部ちゃん⁉︎佐久間くん⁉︎岩本くん⁉︎康二⁉︎」
当の本人も混乱中。
辰哉「ね?めめ、来て正解だったでしょ?」
蓮「みんな……………」
そこで膝から崩れ落ちて号泣し始める目黒。
蓮「もう、本当に逢えないかと思った…うわぁぁぁっ、」
康二「めぃめぃ…久しぶりやな…わかるで……ぐすっ、」
と、そこで。
翔太「あれ、ドア開いてんじゃん」
涼太「ほんとだ」
ラウール「えええええ⁉︎ちょ、え?みんな…⁉︎」
え…ラウールも?
もうここは大混乱。
照「ちょ、一旦リビング入ろう?ここ狭いし」
一回リビングに入る。
照「えーっと…阿部、状況整理を」
亮平「うん。俺ら6人からしたら、3人が仲間入りして、嬉しいねって感じ(?)。3人からしたら、全員に逢えること無いと思ってた…つまりサプライズね。…うん。だからまとめると、ようやく全員が逢えたってこと」
珍しくぐちゃぐちゃな説明に、阿部も混乱してるんだなというのが分かる。
蓮「うそ、でしょ…」
状況が理解できず混乱しているのか、頬をつねりまくって頬が真っ赤になっている目黒。
康二「ちょ、めぃめぃ、分からんのは同じやから、美しい顔を傷つけんの辞めてや」
蓮「だって‼︎夢…」
ラウール「…うそ……」
辰哉「これで全員揃ったかな?」
照「約束…果たせたじゃん」
その言葉を呟けば、全員の目からどっと涙が溢れてきた。
10分くらい泣き続け、ようやく全員落ち着いた。
大介「もう…よく分かんないけど…めでたしめでたし、ってこと?」
亮平「うん……俺らのただ一つの夢は叶った、ってこと」
その言葉にじんと来て、また泣きそうになる一同。
翔太「やっぱりな…ひとりじゃないって最強なんだな」
涼太「ね。これでようやく夢が叶ったよ…」
辰哉「何年越しなんだろうね…」
そう言って9人で抱き合った。
---
その日から、当たり前のようにみんなでシェアハウスを始め、毎日仲良く生活しています‼︎
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今日も、《《SnowMan》》は9人で頑張っている。
果たした約束は、また新たな約束へと変わった。
『流れ星のように一瞬ではなく、9人で永遠に輝き続ける』
それが、9人の今の約束である。
__大切な人と別れることになったらどうしますか?
“I will always believe, someday we can meet again.”
《いつか必ず出逢えると信じ続けます》__
約束 fin.
はい‼︎
以上です‼︎