公開中
地震の中、君達と出会った⑦
ついに、地震の復興作業が一段落し、街に日常が戻ってきた。
それは、ちぐはがスワロウテイルの拠点を出て、元の生活に戻る日が来たことを意味していた。
「……皆さん、今まで本当にお世話になりました」荷物をまとめた、国宝級の美貌を持つ少女は、寂しさを隠すように不器用に微笑んだ。
「私みたいな面倒な女を助けてくれて……。皆さんのこと、忘れません」一歩、出口へ足を踏み出そうとしたその時。
ガチャン、と背後でドアの鍵が閉まる音が響いた。
「……どこへ行くつもり? 僕の記憶(ログ)から君を消すなんて、1ピクセルだって許さないよ」まどかが、いつになく冷徹で、それでいて執着に満ちた瞳で立ちふさがった。
「まどか……?」
「君の居場所はここだよ。僕の隣。……一生、僕が君を観測し続けてあげる」
「……まどかさんの仰る通りです」
健三が、音もなくちぐはの背後に回り込み、その細い肩を抱きすくめた。
「外の世界は危険すぎます。あなたのその美貌は、悪い虫を惹きつけすぎる。……私が、このハウスの中で永遠に管理して差し上げます」
「健三さん……離して、苦しい……っ」
「悪いな、ちぐは。俺も、お前を逃がす気はさらさらないんや」誠一が、ちぐはの目の前に立ち、その大きな手で彼女の頬を包み込んだ。
「不器用なお前を放っておけるわけないやろ。……嫌われてると思ってたんか? バカ言え。……惚れてんねん、全員」「……えっ?」恋愛に疎いちぐはの思考が、真っ白にフリーズする。
不器用な彼女は、ようやく気づいた。
彼らの視線が、単なる「警護」ではなく、狂おしいほどの「寵愛」と「執着」であったことに。
「……ねぇ、選ばせてあげる」まどかが、ちぐはの耳元で甘く囁く。
「誰の腕の中で眠りたい? ……それとも、三人全員に一生愛され続ける?」逃げ場のない、黄金の檻。
地震という混沌の中で出会った四人の物語は、今、終わりではなく「永遠の独占」へと形を変えようとしていた。
「(……私、どうすればいいの? ……でも、どうして。こんなに怖いのに、胸の奥が熱いのは……)」
不器用なちぐはの瞳から、一筋の涙がこぼれる。
それを三人の男たちが、競うようにして、優しく指先で拭い去った。
終わりです!高評だったら番外編とか作ります!