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遠く離れても 3〜完結〜
書いてて辛い作品だぁ...
さっさと終わらせたい。
まあ、そんな簡単に終わらせるわけ無いですけどね
私は基本的に全壊の復習とか書かないので代わりに前の話のリンク貼っときます
https://tanpen.net/novel/1168c948-a995-4079-bba8-f2dc9121a0d6/
「莉杏...?なんんでここに」
「いやそんなこと気にしてる場合か!それはなに?包丁?何馬鹿なことしようとしてるの?」
「ちょっと色々あって...」
ここで君のことだよと言えるほどの勇気を、私は持ち合わせていない。
...って、こんな場面で何を言ってるのやら。
「色々あってでやっていいことじゃないよ!こっち、来てよ。まだ、消えないで」
「色々あってやっていいことじゃない...か」
私は思い返した。今まで何度こんな事があっただろう。たしかに失恋なんて、こんな思いも一回ぐらい大したことない。うん。一回ぐらいなら。
私の失恋は、
ただの失恋じゃない
ねえ、分かるでしょ?失恋するだけじゃなくて打ち明けたら大好きな人に気持ち悪いって言われるんだよ?何回繰り返してきたと思ってるの?あなたは苦労なんてしてないんだろうね
そんな感情がこみ上げてきて、どんどんどんどん心が黒く染まっていく。
「藍!聞いてるの?こっちに来て、そんなもの戻して」
「....莉杏は男の子が好きなんだっけ?」
「え?」
いきなり問いかけられた質問に莉杏はめを丸くした。
「男の子が大好き〜とか言ってたよね?ねぇ、なんで?異性と恋してなんで自分だけ助かるの?踏みつけて血を吐いて悲しんでいる人がいるとか考えたことない?世の中男女差別は駄目とかLGBTQだとか。結局取り残されてるのに。結局、結局見捨てられてるのに!!!!!」
私は泣きながら、今までの我慢をぜんっっっっっぶ吐き出すように言った。
「もぉ〜。踏みつけて血を吐いて悲しんでいる人がいるとか、藍が言えることじゃないじゃん」
ちょっと怒ったような声をして。莉杏は言った。
優しい莉杏の声色が、耳を通して全身に心地よく響き渡る。
「ねぇ」
「私のこと、覚えてる?」
いつの間にか抱きついていた莉杏の声が、耳元で吐息のように吹きかけられた。
「思い出して。通学路にいた人間を」
(通学路.....?)
「私は見てたよ。かっこいい藍を、可愛い藍を、我慢してる藍を、英雄のようにかっこいい藍を!」
「全部全部、見てきたよ!」
にっこり笑った莉杏の体から流れてくるように、その時の記憶が蘇った。
私の、思い出。バスで通学しているときの、記憶だ.......
「私は、ここだよ」
そう言われると、今の莉杏の姿にそのままメガネを掛けさせたような女の子が映し出された。
「これが.....」
莉杏.............
「私はずっと藍のことが大好きだった。でも、でもね」
「藍が話してることを、聞いちゃった。」
『ねえ藍!同性愛者ってどう思う?』
そう問いかけられた私は、自分のことがバレるのが怖かった。
『え、気持ち悪くない?』
(なるほど、)
ぜんぶ、わかった。
莉杏は私のことを好いてくれてたんだね。
私は莉杏のことを裏切ったんだね
私は、なんて、なんて愚かなんだろう。
「最初から素直になってればっ.....!」
「ううん。大丈夫、もう、終わったよ」
「え?」
「私の未練は、藍に好きになってもらうことじゃない」
驚きの言葉を聞いて、何も言えずに立ち尽くす。
その瞬間、莉杏の体がどんどん透明に近い状態になっていくことに気づく。
(莉杏!!!)
莉杏は、そう叫ばせてはくれなかった。
今にも消えそうなてで、そっと口を閉じさせた。
「私の未練は、」
「藍に」
「希望を、伝えたかったんだよ...!」
(私に.......希望を....?)
「人間はね、どんなことがあっても一回は幸せになれるの。同性愛者は気持ち悪い?そんなことない。
幸せになれない?そんなことない。
まだ、幸せになれる出番に回ってきてないだけだよ!
きっと分かってるくれる人がいる。きっと一緒に生きてくれる人がいる。
だから、大丈夫。
自分に正直になって。
私じゃないのは悔しいけど、いつか....」
藍だけの幸せが来るから.............
そう言って、莉杏は消えてしまった。
「莉.................杏?」
「まって、まってよ」
「私を置いて行くの?これから、これから仲良く.....」
「あ.................」
私の腕の中に残ったのは、莉杏の来ていたワンピース。そして、
教えてくれた幸せ。
展開早いの書くのって難しい....←長編しか書かない人