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『雨の記憶』-2-
ーーー六月中旬
梅雨に入ったのか、今日もまた雨が降っている。
「あぁ、またか。」
気圧でズキズキと痛くなってきた頭を鬱陶しく思いながら、
ベッドから立ち上がって
棚にある薬箱に手を伸ばした。
カチッと音がして薬箱が開くと
半開きの目で
頭痛薬を探した。
(あった.....)
冷蔵庫に行き、コップに水を注いで
部屋へ帰ってきた。
頭がグラグラして気持ち悪くなってきて、
水さえも飲みたくなかったが
処方されていた朝の薬と頭痛薬と胃腸薬を水で無理矢理喉に流し込んだ。
ケホッゲホッッ......
勢いよく飲みすぎて
水が変なところに入ったみたいだ。
普段なら朝起きたら水を空気のようにごくごく飲むけれど、
今は水を少し飲んだだけで胃の中に異物が入ったような感覚がした。
今日は学校に行く日だ。
持ち物は全部入ってるはず。
......あ、筆箱忘れてた
薬、早く効けと思いながら
筆箱をリュックに入れ、
背負った
いつもよりもリュックが重く感じる
今の自分は押されたら倒れそうなほど
弱くなっている気がする。
玄関で何度も深呼吸して
扉を開けた
「行ってきます...。」
今日も無事に、帰ってこれますように_______。