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『いチ』森の洋館にて。
不思議な雰囲気を纏った森の奥深く、沢山の広葉樹に囲まれた洋館の中、エントランスホールに、少年が横たわっていた。
赤いカーペットの上、死人のように真っ白な肌。
埃まみれの洋館に、ただ1人。
彼を見つめる者は、ヒトでないものばかり。
そんな洋館の中に、不気味な、声ともなんとも言えない音が響く。
『ぼクがシんだノ何回メ?¿』
ヒトの心を忘れたモノ達が、一気に洋館の外へ追いやられる。
少年がパチリ、と目を開いた。
少年の瞳に映ったものはただ1つ。
爛れた肌に、何処を見ているか分からない、今にも取れそうな血走った眼球。口が裂けるほどにつり上がった口角。
服は真っ黒で、頭からはヘドロのようなモノが垂れている。
これほど、バケモノという言葉が当てはまる存在を、見たことがあるだろうか。
恐怖のあまり、言葉を失う。
これからどうなる?殺される?質問はなんだった?覚えていない。覚えていない!!答えられなかったらどうなる?適当に答えたらどうなる??
少年の心に現れた質問の数々に、答えてくれるモノなどいない。
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▶ 少年は、気を失った !
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