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先日、首のないマネキン人形を買った
2022 2/8
先日、首のないマネキン人形を買った。
家に置くと、孤独で薄暗かった部屋に、暖かい光がともった様で、良かった。
でも、やはり裸の姿だと嫌らしかったので、白のシャツと、黒のスカートを着せた。とても似合ってた。顔がないからわからないけど、きっと、おとなしい子なんだと思う。自室の横にちょこんといる姿は、なんだか見ていて楽しかった。
2022 2/13
名前を付けた。つけた、と言っても、実はいまだに迷っている。|夕《ゆう》か、|白《はく》にしようとしているんだけどさ、どっちがいいんだろうねぇ。でも、彼女の白いシャツ、とても似合ってるんだ。白。うん。いい響きだと思わないかい?
2022 2/26
名前を付けたらさ、彼女がより彼女って感じがしたんだ。なんていうんだろう。存在を定義させるというか、まぁいいか。夕食のときに、彼女の名前を呼んだらね、微笑んでくれた気がしたんだ!いつも一人で孤独に食べるだけったのにさ。舞い上がるほどにうれしいよ!それにさ、彼女の手を握ったらね、少し暖かかったんだ!ほかにもいっぱいあるんだ。ほら!今も彼女が僕をみて笑ってくれてるんだよ!
2022 5/21
彼女がさ、なにか楽しいことはないの?いつもより顔が暗いこと、だってさ。そんな暗い顔、してたかな?ねぇ、そんな笑顔、見せないで。僕を、笑わせてよ。
2022 7/3
暑いね。蒸暑いね。長袖じゃ、熱いかな?
ねぇ、なにか言って。お願い。
2022 8/6
笑わないで。こっちをみないで。
2022 8/12
彼女がおかしいんだ。顔の皮膚がめくれて、肉が見えて、歯までが崩れ落ちて、ウミまで出てるのに、笑ってるんだ。体は変わってないのに、痛いだろ。なんで、笑ってるんだ。
怖いよ。
2022 8/14
君は誰?
お前は何だ?
2022 9/5
やめて
やめてください
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
許して、白。
ハンマーを手に、ぐちゃぐちゃになった彼女を見下ろす。上半身と下半身が別れて、純白のシャツがビリビリに破れていた。
彼女は、まだ笑ってた。なんだよ、笑うな。笑うな。もう、謝っただろ。
彼女の顔が、顔?顔が、あれ。顔って、なんだ。だって彼女は、|これ《• •》は
なんだ、マネキンか。
これを書いている途中、空想の友達を作ったら、その友達が暴走して精神病んだとある人のブログを思い出しました。
いくらなにかあったとしても、妄想に頼るのは良くないですね。