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【こどおにっ!】灯和が風邪!?《3》 & キャラデザ(華竜)
灯和「……沙雪ちゃんに…触るな…!!」
沙雪「………!灯和……」
灯和は上半身を起こして私を抱き寄せる形で金棒を構えていた。
灯和の目は、しっかりと土蜘蛛を捉えていた。
しかし、その目はいつも私たちに向ける温かい目ではなかった。
その目はまるで、獲物を狙う猛獣のような、恐ろしく圧のある目だった…
*__グラッ…__*
**ドサッ…**
沙雪「きゃあ…!?」
突然灯和の体が傾き、私たちは雪の中に倒れる。
灯和は腕を顔に乗せて、大きく息を吐いた。
__灯和「……………はぁー………」__
沙雪「……!!灯和大丈夫!?」
__灯和「………づがれだ…」__
灯和の声色は、先ほどまでの圧など感じさせない、いつもの優しい声だった。
しかし、かなり息を切らして、疲れ切っていた。
沙雪「……ごめんなさい…私足手纏いで………」
__灯和「………そんなことない………」__
沙雪「…?」
__灯和「……沙雪ちゃんがいなかったら…僕は動けてないから……」__
息を整えながら、灯和は少しずつ話してくれた。
私は静かにそれを聞く。
__灯和「………沙雪ちゃんも多分…気づいてただろうけど…土蜘蛛たちは…僕らの力を沢山奪ってた……」__
__ 「…沙雪ちゃんが逃げてくれなかったら……僕は死んでた…と思う…………」__
沙雪「……!!」
__灯和「……僕を助けてくれて…ありがとう……」__
灯和はそう言って、私に小さく微笑んだ。
救われたのは私なのに、逆に感謝されてしまって、なんだかむず痒い。
私も小さく微笑み返した。
しばらく、二人だけの時間が過ぎて行った。
すると、私たちの上に大きな影が現れた。
私たちは上を見上げる。
沙雪「………わぁ…!!」
そこには、巨大な竜の姿があった。
しかし、竜翔ではなかった。
体は雪のように白く、たてがみは柱状の氷のようだったから。
その竜はゆっくりと、私たちの目の前に降り立った。
ぼわんっ!
??「はいっ!着陸成功〜!!」
沙雪「…?だ、だれ…?」
??「ん〜?だれ〜?」
やけに冷たい煙と共に目の前に現れたのは、小さな少女だった。
---
その少女は、雪のように白い髪が美しい子だった。
右のもみあげだけが水色で可愛らしい。
目は淡い水色で、白い髪によく映えていた。
着物は私と良く似た、白と水色のグラデーションだった。
所々に入っている雪の結晶の模様がキラキラしていて美しい。
その後ろからは、竜翔とよく似た、大きな尻尾が見えていた。
頭にはまっすぐな茶色の角が二本生えていた。
しかし、こんな竜は見たことがない。
この子は一体……
---
??「…あ!灯和お兄ちゃん!大丈夫そ?」
__灯和「…んー…しんどい…かな……」__
??「そっかー。じゃあ後で運ぶね!」
__灯和「……ありがと…」__
??「………ん?」
その少女はこっちに目を向けた。
その瞬間、彼女の目が輝く。
??「わぁ〜!!ねぇ、お姉ちゃんってもしかして沙雪お姉ちゃん!!?」
沙雪「え、えぇ!?なんで知ってるの…!?」
??「兄さまからお話聞いてるよ!!私の着物ちゃんと着てくれてる〜♪」
沙雪「え?この着物あなたが作ってくれたの…!?」
??「うん!そーだよ!!」
沙雪「そうなんだ…ありがとう…!あの、お名前は…?」
??「私はねー、華竜って言うんだ〜!よろしくね〜♪」
華竜と名乗る少女は、私の手を取りながらぴょんぴょんと飛び跳ねている。
私はそれを見ていたら、突然視界が傾いた。
パタッ…
沙雪「……?」
私は雪の中に倒れ込んでいた。
疲労や怪我のせいだろう。頭がくらくらする。
多分、この状態で歩くのは無理だろう。
華竜「うわぁ!?お姉ちゃん大丈夫!?」
沙雪「……多分大丈夫じゃない…かな……」
華竜「ん〜、じゃあ寝てていいよっ!私が家まで運んであげるから!!」
沙雪「………ありがとう……」
その言葉を最後に、私はゆっくりと目を閉じた。
---
竜翔「もう少しで屋敷に着くからね…!」
天舞「おー、結構早かったなー。」
猫葉「む〜、つまらんの〜…」
竜翔「遊びに行ったわけじゃないんだから……って…ん?」
天舞「ここら辺、なんか荒れてないか?」
猫葉「……いや、木が倒れとる。明らかに何かあったな。」
竜翔「……ん?あれ…なんか人影が見える……」
天舞「ん?どこだ?」
**竜翔「………え!?あれ火影じゃない!!?」**
**天舞「はぁ!!?」**
猫葉「本気でゆうておるのか?」
ぼわんっ!
火影「……………」
**天舞「起きろこのクソ狐っ!!!」**
*ゲジッ!!*
火影「………?……ああ、天舞か……」
竜翔「いやいやそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!!」
天舞「反応的に重症だな。なんでこんなところで座り込んでんだよ?」
猫葉「おぬし頭から流血してるのは自覚しておるのか?」
火影「……あ?」
__スッ…__
ベタァ……
火影「……本当だな…気づかなかった…」
天舞「お前マジでバカじゃねぇの!!?」
竜翔「ほらこれで抑えて早くっ!!」
火影「ん……」
竜翔「とりあえずボクの能力で応急処置はするから大丈夫だろうけど……」
猫葉「何があったんじゃ?」
火影「………土蜘蛛が…大量に襲ってきた………」
天舞「土蜘蛛ぉ!?」
猫葉「沙雪たちはどうしたんじゃ?」
火影「……華竜が対処してくれたはずだ……」
竜翔「え!?華竜来てるのっ!!?」
火影「ああ…さっき…来てい……た…………」
ぐらり…
天舞「うおぉ!!?」
猫葉「急に限界がきたな…」
竜翔「とりあえず屋敷まで運ぶよっ!話はその後で聞く!二人とも捕まって!」
天舞「おう!」
猫葉「捕まったぞ!」
ぼわんっ!
---
--- 屋敷にて… ---
竜翔「………なるほど…?つまり灯和の熱は土蜘蛛のせいってこと…?」
火影「そう言うことになるな。」
天舞「でもまさか、沙雪も怪我するなんてな〜……」
__猫葉「土蜘蛛許さん次会ったら粉微塵にしてくれるわクソ虫が……(ブツブツブツ)」__
竜翔「猫葉も落ち着いて…でも華竜はどこ行ったんだろ……」
__ガラガラ……__
華竜「……あ!兄さま〜♡」
竜翔「あ、華竜っ!!久しぶり〜!」
ぎゅ〜!
華竜「…あ!天舞お兄ちゃん!猫葉お姉ちゃん!久しぶり〜!!」
猫葉「お〜!久しぶりじゃの〜華竜!!」
ぎゅっ!
天舞「でも急にどうしたんだよ?用事があったのか?」
華竜「通りかかっただけだよ〜?だから明日には帰るよ!」
火影「随分と早いな。」
華竜「ん〜、動物たちも世話しないとだしね!」
竜翔「そっか〜…とりあえず、お茶でも入れようか?」
華竜「うん!あ、私も入れるの手伝う〜!!」
天舞「俺もお菓子取る!」
猫葉「ワシも!!」
竜翔「ちょっ、全員で来ないでよ〜!!」
__たたっ…__
火影「…………」
__ちらっ__
__灯和「………すぅ……すぅ……」__
__沙雪「…………ん……」__
火影(………二人ともゆっくり寝てるな……よかった………)
「…私も寝るか……疲れた………」
__ゴロン…__
そして部屋には、三人の静かな寝息だけが残りましたとさ。
---
完
読書が好き🍵です。
マジで意味不な終わり方で申し訳ない…気力が持ちませんでした…
その代わり!リクエストをいただいたのでそれを頑張ります!!
あと、新キャラ『華竜』のキャラデザも発表します。
本文とは違う姿なので、そこは温かい目で…(は?)
それではまたどこかで……
華竜キャラデザ:https://firealpaca.com/get/AhZ0i0NH