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Auftakt#13
蘇芳色のスマホをポケットにしまい込んで,私•スオウはため息をついた。
どうせ私は,つまらない人物なのだ。風宮学園でだって,友達は出来なかった。
今だって,トーク画面ではルリさんとワカクサさんが話しているだけ。他の人もちらほら送信しているけれど,私はなにもしなかった。それについて,誰も何も言わない。心配なんか,していない。
わかっていた。私と友達になりたい物好きなんて,いないって。人間界でだって,私は目立たなかったから。
話し下手で,空気が読めないような私の唯一の才能は,超能力だった。けれど,その超能力も,風宮学園に来たらみんな持っていて。私は本当に,『平凡な少女』になってしまった。
みんな明るくて,話しかけてくれて,優しかった。けれど私はうまく話せなかった。けれど,みんな私と接してくれた。とっても,とってもうれしかった。
でも,それは『友達』じゃない。そんな親密な関係じゃない。
考えている間に,夜は明けていた。
こんにちは♪はるです。
今回は『スオウ』という新たな人物が登場しました!
スオウも加わって,さらにおもしろくなると思います。これからも読んでいただければうれしいです!よろしくお願いします♪