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本編7
オレの予感は的中。
やはりあいつらが来た
「誰もいないね、じゃあ早速台本の確認を…」
「うんっ☆今回のお話はどんなのかな〜!」
「…ねぇ類…あそこ…」
「え?」
「…ッ…」
「…うわ、《《天馬さん》》…」
「なんでそこで隠れてるんだい?出てきなよ」
「……」
そう言われ、一応素直に従っておこうと思った
類達に近づき、一言こう言われた
「どうして練習に来なかったのかな?説明してくれるかい?」
「…言わない」
怪我のこと言っても、言い訳だって責められるだけ
…どうすればいいんだろう
「ちょっと、なんか言ったらどうなの?」
「はぁ…放っておいてくれよ」
「…え?」
「あ、ぇ…」
やば、声に出てた…
「人切っておいてよくそんな態度していられるね?」
「は?オレはやってないんだが?」
「とぼけないで、あんた、人殴ったりもしたんでしょ?」
オレが殴られた側なんだけどな…
「司くん、最低だね…あたし見損なっちゃった」
「こんな人とショーやってたとか信じられない…」
オレだって信じたくない
こんな奴らと一緒に過ごしてたとか。
「ねぇ天馬さん?今日の放課後、屋上来てくれないかな?」
「…嫌だ」
「拒否権ないから。絶対来てよ?」
「嫌だと言ってるだろ。日本語わからないのか?」
「は…?うっざ、いいから従ってよ。いじめっ子さん?」
「…はぁ…わかった」
「あたしも行っていい!?楽しそう!」
「勿論だよ。それじゃあ…覚悟していてね?」
「………」
最悪だ
どんな事されるんだろ
殴られる?蹴られる?
カッターで切り付けられたりとか…?
まぁ殺されはしないだろうな、多分
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「…来たぞ」
「おっそい。股下10㎝?」
時間通りに来たはずなんだけどな…
「…何、するんだ?」
「殴るに決まってるだろう?」
「ッ…え」
…やっぱり、痛めつけられるんだ
嫌だ…痛いのは…嫌だ
苦しいのも痛いのも全部嫌だ…
「やめ、やめて…くれ…」
そんなオレの声は、あいつらに届かなかった
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「ッはぁ…ッゴホッケホッ」
「うわ、血吐いてんだけど…」
「汚いよー!ちゃんと掃除しておいてねー?」
「はい…グスッ」
「何泣いてるんだい?」
「ごめ、なさっ…」
「…もう帰ろ。暗くなってきたし」
「うんっ!楽しかったね〜!」
「ストレス発散にもなったよ。ありがとうね」
「…………」
すごく痛かった
仲間だった奴に、こんなに殴られて
吐血するまで、痛めつけられて
なんでオレがこんなに苦しまないといけないんだ…?
オレが何したっていうんだ…
「もう、いやだ、ッ…」
声を押し殺して、涙を流す
「う"ッ、ふぅ"…ッポロポロ」
カッター…なかったっけ
もうどうでもいい。死んでも死ななくても。どっちでもいい
ザクッ…シューーザクッ…ザクッ
乱暴に腕を傷つける
赤色の液体が、綺麗に見えた
「…もっと、見たい」
思いっきり…力強く…
右腕も左腕も、線だらけにする
「あ…やば、切りすぎた」
どろどろと出てくる血を見てると、なんだか落ち着く
なぜかは分からない
「…帰ろ」
掃除して、帰る準備をした
側から見たら、相当やばい人なんだろうな
喉の辺りがぐるぐるする
ほんとに、気持ち悪い