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第十六話 本心
《亮視点》
澪「どうしよう……。私、桜のことが嫌いになっちゃったかも……。」
目にいっぱいの涙を溜め、鼻水をすすりながら言う澪。
亮「どうして?」
澪「わ、私……司のことが……好きで……でも、桜と、もう、付き合ってて……。それが、羨ましくて……!」
亮「それは、澪の本心なの?」
澪「……えっ……?」
亮は言おうか少し迷った後、覚悟を決めて言った。
亮「だって、澪は、誰よりも桜の恋を応援していて、誰よりも桜のことを考えている、桜の最高の親友じゃないか!」
亮「いつも明るくて、元気で、他人のことを真っ先に考えている澪が、俺は好きだ!」
澪「亮……。」
澪は少し考えた後、亮のおでこを弾いた。
澪「それ、浮気。」
亮「へっ……?」
澪「二股はだめ!どっちかにしなさい!」
亮「えっ、あっ、じゃあ、澪!好きです!付き合ってください!」
澪「うむ!付き合ってやろう!」
澪は腰に手をあてて仁王立ちで背伸びすると、亮を見下ろす。
亮「すっごい上から目線……。何様……?」
澪「澪様!」
亮「やれやれ……。」
亮があきれると、澪は笑う。
無邪気で、あどけない笑顔。
やっぱり、澪は笑顔の方がいいな。
澪「さくら~!つかさ~!私と亮、付き合うことになった!」
桜・司「えっ!?」
口は…軽いけど………。
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《桜視点》
桜「学祭行けなかった……。」
司「また来年いけばいいだろ?」
落ち込む桜に司は優しく声をかける。
ごめんね、司。
私に、来年は無いの。
澪「でも、十月だから、運動会あるよ!」
桜「そう、だね?」
亮「なんで疑問系?」
司「桜はリレーの選手だろ?」
澪「そう言う司もね。」
亮「二人とも五十メートル走何秒代?」
桜「私は八秒代。」
司「俺は七秒代。」
澪「化け物か!」
そんなに速いのかな?
亮「じゃあ、運動会頑張ろう!」
全員「おー!」
結末に急いでいる作者……。