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死にたがりの君へ 生きていたい僕より 2
「.........また、やちゃったな」
いっつもこうだ。いい友達ができると思うと、いい関係になれると思うと、いい感じに過ごせると思うと.......
「あ、遥輝。やっと起きた?混乱してたよ〜悠汰くん」
「....ごめん..」
「あ〜謝んないで。大丈夫だし」
申し訳ないと思ってる。いつも巻き込んでしまうこいつには。
「この心菜ちゃんはちょっとサボったりしただけじゃ信頼無くならないから」
三重美 心菜......俺の、幼馴染だ。
いつも俺が倒れるときは姿が見えるらしい。窓から偶然見えたり、したそうだ。
そういうときはいつも上手い事ことを運んでくれる。
「悠汰...武川は........?」
そんなことより心配だったのは、悠汰のことだ。目の前でいきなり倒れ込んでしまったから...
「こっちで色々言っとくから。ホントのことは伝えないよ?とにかく今は休んで。早く良くなって好きなことしよう?だって.....」
「もう少し、なんでしょう...?」
その言葉が胸の奥深くまで突き刺さった。
(心菜には言ってなかったんだけどな。....まあ、気づかれるか。もう随分前からの付き合いだしな..)
「私だって気づくよ、明らかに倒れる頻度が高くなってる。だからゆっくり休んで。早く良くなって」
「あぁ。ありがとう」
そんなそっけない言葉しか返せないのは、最低だろう。
でも、こうとしか言えないから。
「...じゃあ、ね」
静かな部屋に響き渡ったドアを開く音。
一人にしないでほしい。その一言が言えたらどれだけ楽なものか。
そんな事する勇気は、行動力は、とっくの昔に消え去っている。
---部屋から出たあとの心菜視点
(...遥輝ももうちょっとか...)
「私の思いは、消えてしまうんだ...」
遥輝のことは知っていた。ずっとむかしからの友達で、幼馴染で、重い病気を患っているのに明るく元気な男の子。
そして、私の初恋の人。今も好きだけど。
でも、遥輝が私に興味がないことも知っていた。
『同性愛者』
今結構話題になっているそれだって、おしえてくれた。
私を信用して、打ち明けてくれた
(それを裏切るわけには、行かない)
だから言わないって決めたんだ。
「武川悠汰くん?に言いに行かなきゃ」
私は駆け出した。
泣きたかったし叫びたかった。
ねえ神様。
今からでも私に、遥輝の病気を吸い取らせてよ。
こんなの、あまりにも、
ひどいよ...........!!
---悠汰
「........」
僕の頭の中は真っ白だった。
僕の命を救ってくれた人が倒れて、クラスの女王様が来て、病院に連れて行って...
(.......)
何を言っていいのか、わからなかった。かんがえていいのかも。
「病気...?」
病気なのだろうか。
大丈夫なのだろうか。
(僕が死ぬのは、止めたくせに...)
嫌な予感がしたんだ。あのきれいな顔が、亡くなってしまうような気がして....
やっと書いた第二話。ご覧頂いた皆さん、ここまでスクロールしていただいた皆さんありがとうございます!
投稿頻度は低いですが時々しっかり投稿するつもりです!
2、3日に一回は絶対、時々多い日があったりと気分に左右されると思います