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指輪の持ち主達
※初代ゴジュウジャーのウルフとレオン以外の3人は、捏造しまくりです。
例えもう会えなくとも、お前達が仲間だった事だけは確かだ。
過去を背負い、今を生きる世直しゴッドネスの話。
「真白くん!」
「真白さん」
「ましろーん」
「真白!」
4人がこっちを見ている。
いつも元気で、ポニーテールを飛び跳ねさせていたあいつ。
俺たちを後ろの方で見守って、ほほえんでいたあいつ。
ふわふわしてて、何考えてるか分からないあいつ。
そして。
誰よりも俺と一緒にいた、世界一おせっかいだったあいつ。
俺は1万年間、こいつらのことをずっと考えていたような気がする。
白いパーカーのあいつが、もう一度俺の名前を呼ぶ。
「真白、」
懐かしいその声は、俺の心にしみわたった。
もう、俺をこの名で呼ぶ奴はいない。あいつらだけが呼んでいた、特別な名前。
「忘れないからな」
それはこっちの台詞だ。
あいつらはきっとどこかで生きている。でも、もう会えないような気がする。
それでも。
あいつらが俺を形作ったこと、俺と今一緒にいる相棒が誰から貰ったのかということ、そしてあいつらのおかげもあって世界を一度救えたということ。
それは絶対に、忘れない。
まぁ、忘れようとしても忘れられないくらいだからな。
そう思って、俺は目を閉じた。
「・・・ん、」
目を開けると、見覚えのある木目と白い服が見えた。
顔をうずめていた腕から目線をあげると、完食した皿ごしに人が見える。
少し目を凝らすとピントが合い、茶髪の青年とその指に光る青色の指輪が見えた。
「あぁ、起きたんだ」
そういっていつものスマイルをふりまく陸王は、どうやら俺と同じテーブルに座っていたようだった。どれくらい時間が経ったのだろう、陸王のパフェの器も綺麗になっていた。
「___この俺様が外で寝るとはな」
自嘲的な笑いを俺___いや、俺様が零すと、陸王はため息をついた。
「いいじゃないの、どこで寝たって。別に狙われるわけじゃあるまいし」
狙われるとかそういう問題じゃなく、神になる男は気を抜くべきじゃないんだ、ましてや人の前で。そう言いかけたが陸王に先手を取られた。
「それにね熊手、たまには休んだ方がいいよ。疲れてここで寝ちゃうほど『世直し』してきたんでしょ?自分の体の事も考えて、あんまり無理しない方がいいと思うけど」
優しい声でそういう陸王に、あいつが被って見えた。
かつてあいつもこんな事を言っていたはずだ。
寝起きだからそんな風に見える、だけではないように思える。
初代である俺様含めたあいつらと、2代目であるこいつらは似ていない。そう思っていた。
陸王だって、あいつとは姿形も性格もまったく似てないのに。
こんなことを俺様には散々言うくせに、自分は一人で全部抱え込もうとしている。
そんなところが、そっくりだ。
「お前こそな」
そういって次の世直しにでかけるため、ローブを翻してテガソードの里を出る。
「ちゃんと家帰りなよー!」
声が後ろの方で聞こえて、俺様は思わず笑った。
やっぱあいつと似てんな。
最初の声の4人は黄、黒、緑、青として書きました。青以外捏造でごめんなさい。
ちなみに年齢は上から黒、青、緑、黄、そして赤のつもりです。
今のゴジュウジャーのように、かつては一番年下の熊手とわちゃわちゃやっていたのでしょうね。