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兄の執着の理由
「あなたはいらないひとじゃないよ」
そういうのはこどものころの私
この目の前にいる少年は、父と母の中の悪さで心が痛み、さらに母からの八つ当たりが日常茶飯事になってしまい、自分が要らない子だと思うようになった。
「僕は…誰にも必要とされてないんだ…」
「じゃあ、私があなたを必要としてあげる!」
「本当に…?」
「うん」
昔の記憶
この少年はその数日後、引っ越してしまったようだが、今でも元気にやってるだろうか。
そういえば、名前を聞いてなかったな
そして、義兄の八弥に似ているな
そう、思ったのだった。
作戦当日
作戦は、彼氏を作ること!
「「「「よろしく」」」」
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男慣れしていない(八弥はごみというてい)菜々星には体がずっと震えていた。
めっちゃグイグイ来る…
「なあ菜々星ちゃん、この後二人で抜けない?」
嫌!キモイ!!つかまれた腕がいたい!
「やめてっ!」
たすけて!と言いそうなところで八弥の姿が脳裏に浮かぶ
なんであいつが…
ドン!という音が鳴った後腕の痛みは消えていた。
「俺の大切な義妹に触れるな」
助けてくれたのは…糞兄だった
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「なんであの時…助けてくれたの」
八弥ならばすることかもしれないが、その言葉が不思議と口から出た。
「菜々星が言ったんだろ?俺を必要としてくれるって」
「!」
やはりあの少年は八弥だった。
今の義父が八弥の母と離婚して、私の母と結婚したのだろう。
人生は不思議なものだ。
「今日は…ありがと」
「!菜々星~!!」
「キモイ!くんな!!!」
でもまぁ、私の兄としては認めてやるか
第一章 完
ありがとうございました!