公開中
最近読んだ本
題材が題材なだけに、本垢に載せようか迷ったからこちらに載せよう。
**十二人の死にたい子どもたち 沖方 丁**
ブックオフで100円で売ってた本。
どこかのネット情報で、「未成年の集団自殺について書かれている奴」とあり、安かったので購入。
最初のほうはかなりつまんない導入だなとあって、普通に積読しており、半年くらい放置していた。
このままでは放置するだけだと思い、頑張って読んだ。
いつ安楽死するのかなあ、という場面にたどり着きたいがために読んでいたから、ストーリーに関しては微妙。
だが、「最後の時間」に差し掛かるところでようやく面白くなってきた。
「いつ安楽死するのかなあ」ではなく、「なるほど、これが原因で安楽死できないのか」となった。
子どもは考え方が繊細だねえ。
だからこの本では集団安楽死はできない結末になったんだろうね。
おそらく登場人物が大人だったら、ストーリーの膨らみもなく、完遂するだろう。
「十二人の死にたい子どもたち」
という、読む前は登場人物多いなとか思ったのだが、十二種類の自殺理由を集めたというのが作者の考えが垣間見えた。
1 家族の無理心中により残された父親のうつの末の自殺。
2 中学時代からいじめられて自殺願望を持つようになった。
3 大ファンであったタレントが自殺し、その後追い自殺。
4 ジュニアアイドルによる自殺願望。
5 末期状態の不治の病。薬物の延命療法により無理矢理生かされていて、安楽死を望むもの
6 保険金関係その1。
7 生まれる前から病気で、薬物中毒である母親の胎内で梅毒の感染と薬物の影響を受け、4歳の時点ですでに強力な自殺願望を抱えている。
8 母親の精神疾患の思い込みにより、自身の子どもを強制的に薬漬けにされて、安らかに眠りたいという自殺願望。
9 いじめっ子の主犯格を突き落として殺害。その罪悪感のための自殺願望。
10 保険金関係その2。
11 ただの馬鹿。
12 自責の念。
ということで。
メッセージ性が強いのはアンリ。
自殺願望が一番強いのもアンリ。
どうして自殺するのか、明確に把握しているのもアンリ。
社会の理不尽性、暴虐性、悲惨さを知っているのも(知識ではシンジロウもあるけど、アンリのほうが当事者なので軍配が上がるから)、アンリだと思う。
十二人の死にたい子どもたちのなかで、一番苦しんだのはアンリでしょうね。
だから、普通から逸脱している。
脳内が乱れに乱れて極論を好むようになり、極論こそが自分を落ち着かせるための抗うつ剤となっている。4歳のころから自殺願望があるって、すごい奴だと思う。
まあ、一人で自殺したほうが遂行できるだろうけど、目的がすり替わって、集団自決をすることに取りつかれたというのがアンリには感じた。理解はしづらいけど、救いは脳死状態のロボットみたいに頭の悪い子どもたちのグループに組み込まれることかなあ。
死が救いなのは、この物語上ではこの人しか当てはまらない。
---
**本当はひどかった昔の日本**
リョナ本。
「平成時代にバラバラ殺人とか首無死体とか惨殺事件があったけど、昔(古典文学)を遡ればそういうの話はいっぱいあるよ」という奴。
確かにそのようですが、大半が神話を紹介したやつだからなあ。
でも、なんで神話としてのフィクションにしたのかはちょっと考えさせられた。事実が本当にグロかったんだろう。
特に妊婦いじめのやつがちゃんとグロい。
「そこにあった竹の鞭で顔や体の区別なく、力を極めて打ったので、妊婦の顔は腫れ、白肌の皮が破れて濃い血が流れはじめる。こうして責めた後は縄を手すりに縛ること三日。
妊娠八か月の彼女は、喉が渇いて金魚槽の水を飲んだ。しかし、断りもなくしたことで拷問者に見つかり、横腹を蹴られ、破れた横腹から産声を上げた男子は絞殺され、妊婦は血を吐いて死んでしまう」
まあリョナ本なので、結末はほとんど殺される感じです。
面白いですね。
意外と面白かったので、以下メモ。
捨て子、育児放棄、
赤ちゃん虐待、児童虐待、貧困ビジネス、
妊婦いじめ、毒親、介護地獄、リアル奴隷、
家族同士の殺戮、ストーカー殺人、
心の病、動物虐待とペット愛好
十二人の死にたい子どもたち
https://amzn.asia/d/59ZG961
本当はひどかった昔の日本
https://amzn.asia/d/83l0rfd