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#2 Mizuki Inoue
あーあ、とあくびをしてみる。
いつもはよく寝る俺なのに、今日は全然寝れなかった。
それもそのはず、昨日優斗から連絡が来たのだ。
『話したいことがある』
一体なんなんだろう。
胸の奥が少しざわざわするのを押し留めて、クローゼットを開けた。
「おはようございまーす」
楽屋には珍しく、作間1人。
はしもっちゃん来てないのか?
「あ、みずっこん、、、おはよう。」
「おはよ、大丈夫?なんかぼーっとしてね?」
「あ、うん、大丈夫。元気いっぱいだよ。」
「、、、俺らの前ではいいけど、カメラの前ではやめろよ。」
作間の目がすっと細くなり、数秒遅れて怒りが伝わってくる。
あ、これやばかったかな?と慌てた。
「あ、ごめんその、」
「、、、わかってる。全部わかってるよ。」
優しい目に戻った。
「ごめん、ちょっと寝れなかったのと、いろいろ考えてたらイラついちゃって。」
「いや、こっちこそごめんだけど、、、俺も寝れなかったわ昨日。w」
「だよねー、寝れないよね」
「そうだよなー」
「うんうん。あ、ありがとね、みずっこん」
「え?」
「気遣ってくれたんでしょ」
「、、、あー、まあ、」
「ありがと。そういうところさすがリーダー。」
突然褒められてちょっぴりどぎまぎする。
「ま、まあ、別に。」
「あー、みずっこん照れてる〜」
なんて言い合ってた時。
「おはよー」
「、、、おはよ、優斗。」
「ぇっ、あ、お、おはよう優斗っ」
「、、、え?なぁんでそんな、いけないことでもしてたの?w」
「ちげえし笑 作間となにしろってんだよ」
「ちゃはっw え〜、あんなこととかこんなこととか、、、」
「そんなことするわけないだろw なあ作間?」
「そりゃそうだよ、むりむり」
「なんか拒否られるのも微妙かも」
「どんまいw」
最初はぎこちないけど、すっといつもの雰囲気に戻れる。
なんかいいなあ、なんて思った。
このままずっと5人でいたい。そんな当たり前のような感情も抱いた。それが崩れるなんて思いもせずに。
YouTube撮影後、5人一緒に会議室に突っ込まれた。
マネさんはみんな外にいると言って消えていく。
「ここさー、最初に企画会議したところだよな」
「YouTube?懐かしいね」
「そうだなー、ほんっと懐かしいわ」
「あの時から俺書記だったんだよなあ」
「作間字綺麗だしね」
「まあまあ、お話はそこそこにちょっとお座りいただいて?」
にこにこ優斗が座れと促す。
どんな座り方かもひとしきり会議したのち、優斗に話させる体制を取り、全員が静まり返った。
そこで投げかけられた言葉、それがあの一文だ。
「HiHi Jetsを辞めて、ここも退所して。新しいことに挑戦したいです。」
やけに冷たい空気の中、俺は1人こんなことを思った。
5人って、永遠じゃなかったんだ。
ずっと一緒にいる仲間だってこういうことになる。そんな当たり前のことがわかってなかったなんて、ジャニーズ失格かもな。
頭が回転しすぎて心と分離している気がする。その心の中でぼうっと佇んでいた時、隣から大きな音が鳴った。
どん。からん、、、
落ちたペンを拾い上げながら、その人は呟いた。
「ふざけんなよ、、、ほんとか?」
やっとあげれたぜ!!
アナストもう1人分書いてから本筋戻ります