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Day.1-11
注意とかは同シリーズ『前書き』へ!
シャルルの異能力により、教室は再び安全な場所へ戻った。
しかし、レイラは特に安心している様子ではない。
レイラ「何故残ったの?」
太宰「云ったじゃないですか。気になることがある、って」
レイラ「それを知りたいのよ」
キョトン、としてから太宰は微笑む。
太宰「ルイスさんと、一年生の子たち以外の力について把握しておきたくて」
レイラ「……まさか、気になることってそれだけ?」
太宰「はい、それだけですよ?」
レイラ「それなら全員がいる時に聞いたほうが良いじゃない。わざわざ私を狙う必要はあるのかしら」
太宰「いやぁ、一番話がしやすいかと思って。普段は無言であることが多いですし、フョードルみたいに面倒くさくないので」
???「……前置きが長い」
太宰「あぁ、すみませんねシャムスさん。じゃあ単刀直入に聞きますけど──」
--- ──その力ってどんな感じなんですか? ---
レイラ「……、どういう意味よ」
太宰「ルイスさんの話だと“頭痛の後から胸の辺りに温かいものがある”らしいんですけど……何故か私、全然分からなくて」
シャムス「……! 君は力がないの?」
太宰「さぁ、どうなんでしょう。でもお二人の反応的に、何か感じてはいるんですね。そして自分自身の能力なら理解できている、と云ったところでしょうか」
シャルル「その話、私も入れてもらっていいか?」
???「つ、ついでに僕も……」
ゆっくりと手を挙げた教室の端にいた彼は、視線が集まったことで即座に下げてカーテンの裏に逃げた。
現在教室にいるのはシャルル、太宰、レイラ、シャムス。
そして彼だった。
???「す、すみません勝手に話に入って──!」
レイラ「謝る必要はないでしょ。というか、その態度やめてくれない?」
ウザい、とレイラが吐き捨てると男がビクッと体を揺らした。
太宰「レイラさんの言う通り謝る必要はないよ、テニエルくん。とりあえず三人とも教えて頂けます?」
テニエル「ぼ、僕は漫画とかでよくある転移能力で……そ、その…まだ使い方が分からなくて……」
太宰「……お二人は?」
レイラ「教えないわよ。ねぇ?」
シャムス「レイラがそう云うなら」
太宰「相変わらず私、信頼されてませんね」
レイラ「……逆に何処をどう見たら貴方が信用できるのかしら」
全身包帯で、一日一回は自殺未遂。
信頼も、信用も。
レイラは太宰のことを信じてなかった。
そもそも誰も信用などしていないが。
🐰ジョン・テニエル
高等部二年で、出来るだけ影でいたいと願っている男子生徒。因みに中等部の頃から、とある先輩たちに振り回されている。(みんな大好きボスだよ〜。知らない人はコラボを見ようね☆)
🐰信用されていない太宰
彼が悪いのは云うまでもないことだろう。
🐰振り回している先輩たち
高等部三年の二人。一人は片目を隠す銀色の髪をした男で、一人は長い金髪を高い位置で二つに結んでいる。(生きているかは、ぜひ物語の先で。)