公開中
②転生!!!…え?
目を覚ますと、ベッドで寝転がっていた。
そうだ、昨日ミニテンドンやりまくって…楽しかった…。
まだ親は帰ってきていない。じゃあ、またやろうか…でも眠い…。
でも、昨日ミニテンドン電源切ったっけ?私は寝ぼけてよろよろ歩く。
何かにつまずき、ガッと転ぶ。頭に何か当たり、痛い振動が走りまくる。
(うわっ、これ頭打ってるパターンなんじゃないn)
頭ズキズキしまくりながら、意識が途切れた。
---
目を覚ますと、そこはRPGゲームに出てきそうな世界にいた。
茶色っぽい屋根の家。看板が壁に吊るされている商店。石畳の道。前をみると奥の方に森がある。
私、これ見たことある!!!RPGゲーム『コロタ冒険日記』の世界観じゃないか!!
最近の天国にはこう言う世界もあるんだな〜。
私、きっとなにかすごいものに転んだ時頭ぶつけたから脳内出血で死ぬんだろうなあ。
**「お前の転生方法バカすぎじゃね?!」**
いきなり、後ろから叫ばれた。
後ろには、太陽の塔をそのままゆるくさせてちっちゃくしたようなキャラクターがいた。
こ、コイツは!!「たいよーのとー」じゃないか!!!
ゲームの中では「人間界からやってきた設定の主人公を案内する」役になっている。
「て、転生?」
「うん、君はミニテンドンに頭をぶつけたんだ!そしてそのまま転生したのだこの“コロタ冒険日記”という異世界にッッッッ」
たいよーのとーはくっそ早口でそう言うと、バタッと倒れた。
「……………」
たいよーのとーは任務を果たしたっぽい。
これからは、私だけで生きていくのだ。と思ったらむくりとたいよーのとーが起き上がった。
「君の住む場所教えてなかったね。あと、君は今日から“カエデ”だよ」
前とおんなじ名前。
でも、今日からってことは何か変わってるのかな、と思ったら容姿自体が変わっていた。
魔女のマントを着た、半ズボンの少女。
でも、ちゃんと「魔女」に見える。
あ、これ私のアバターだわ。
石畳に溜まった水たまりに目を落とす。
顔は美人になっていて(設定した自分に感謝!)、髪の毛も紺色のストレートロングヘア。
私は自分に見惚れたあと、家へ向かった。
---
家のデザインは中世ヨーロッパ!周りの家に合わせて茶色屋根。
中には、自分が人間界で愛用していた道具が置いてあった。ただ。ミニテンドンスイッチがない。
「流石に生活は苦痛に思えちゃうかもだから君の世界の道具を置いておいたよ!」
そう言ってたいよーのとーは去っていった。
自分がどうなったのかとか、死んでないのかとか、そう言うのは気になるけど…
異世界(ゲーム内)ライフも、めちゃくちゃ気になる。
私は、これからの暮らしが楽しみに思えた。
…が、でもそれって、ゲーム内のようにモンスター討伐班として討伐して、英雄に…?!
しかも、私は一回「異世界への転生のススメ」というものをよんだとき
「魔力は人間界の時の自分の“強さ”を引き継いだもの」って書かれてたよな?
私は、平凡。だから、魔法も平凡になっちゃうんじゃない?!
**今すぐにでも逃げたいよ〜ッッッッ!**