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きみの軌道に、ひかりを灯す
無機質な白い病室。小学6年生のわかなの毎日は、窓から見える空の広さだけで測られていた。 白血病の治療は痛くて、怖くて、時々すべてを投げ出したくなる。
そんな彼女の唯一の救いは、画面の中で輝くWEST.の藤井流星だった。 彼のパフォーマンスを見る時間だけは、病気のことを忘れられた。
「……本物?」
ある日、特別なチャリティー企画で、流星が病室にやってきた。 息を飲むわかなに、流星はあの眩しいクシャッとした笑顔を向けた。
「初めまして、わかなちゃん。会いに来たで」
緊張するわかなの隣に座り、流星は目線を合わせて色んな話をしてくれた。 ダンスのこだわり、お気に入りの音楽、そして、わかなが今頑張っている治療のこと。
「私、髪の毛も抜けちゃったし、みんなみたいに学校にも行けない……」
思わずこぼれた涙に、流星は優しく、でも力強い声で答えた。
「関係ないよ。わかなちゃんが今、一生懸命生きてる姿、めちゃくちゃかっこいい。俺な、ステージからいつも応援してるから。離れてても、ずっとチームやで」
そう言って、彼は自分の胸に手を当てた。
それから数か月後、わかなの体調が良い日に、1日だけの外出許可が出た。 向かったのは、WEST.のライブ会場。
暗転した会場で、わかなは精一杯ペンライトを振った。 ステージの上、スポットライトを浴びる流星と、一瞬、確かに目が合った気がした。 彼は客席の隅を見つめ、うん、と深く頷き、一段と高く跳んだ。
病室に戻ったわかなのノートには、新しい未来が綴られている。 『絶対に病気に勝って、今度は私の足で、また流星くんに会いに行く』
窓の外には、あの日流星が教えてくれた、どこまでも続く青空が広がっていた。