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暁前の微光【13話】
嘘のような実話。
実話のような嘘。
この話は嘘か、本当か。
カラ、LOUIS、寺、周…4人の少年少女達が織り成す怒涛の家出劇。
底に埋もれた強者達。
逆境に仰がれし弱者達。
さらに強くなれ。
強い者だけに、道は開かれる__________
はい!とカラがミルク味の飴を二つ渡してくれる。
甘い。
少しだけの休憩。
はやく行きたい。それでいて、少しだけ怖い気持ちと不安があったのは多分、
嘘じゃない。
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カラ「だぁ〜かぁ〜ら!!うそちゃうもん!!」
周「wwww」
寺「えぇ…でも__なぁ?w」
僕が回復してさっきと同じ道沿いをただ歩く。
今の現状を説明しよう。
まず、カラがこの前びっくりした話をみんなに聞かせてる。
その内容が……
カラ「やから!こんっっっなにでかいネコがおったんやって!」
まぁ、説明すると、カラの背丈を超える猫がいたらしい(脳死)
さすがにデカすぎやろ。
カラ「もーー、なんかい言うたらわかってくれるん?」
周「何回言われてもわからへんわ。」
寺「ほんまになw」
カラ「もっかい説明したる!」
「こないだ、起きて窓の外見たらこんっっっなにでかい黒猫が_____」
寺「あ、見て。あそこに小さい鳥がおるで。かわええな」
周「あっ、ほんまやぁ〜」
カラ「_______聞けや!!!ww」
カラ「LOUISぅう〜二人がいじめr」
LOUIS「僕に共感求めないで」
カラ「ゑ」
LOUIS「え?」
二人「……………えっ?」
お願いだからハモるのやめて?
まぁ、うん。でかい黒猫がおったらしい。
一人で喋り続けるカラに、それをほって小鳥がかわええとか話しだす女子組。
これを世の中はカオスと呼んだ(脳死)
LOUIS「あ、白猫。」
雪が積もった屋根の上に白猫が座ってこちらを見ていた。
3人が振り返る。
寺「どしたん〜」
LOUIS「見て、白猫。」
周「ほんまや!」
カラ「むっちゃかわええ」
白猫と目が合う。
りんっ……と澄んだ音を鳴らして、屋根を跨いで《《それ》》は姿を消した。
カラ「っあ!!!」
急にカラが大きな声を上げた。
カラ「_____みて」
指をさす方向にあったのは紛れもない、あの場所だ。
懐かしい。
去年、周と寺と、カラと四人。その家族と訪れた。
この日だけにやっている、一年に一度しか見れない光景。
赤と緑で彩られたフェンス。クリスマス仕様。
入口の小さな門のようなところには、招き猫が飾られている。
白猫をベースにして、朱色で沢山の装飾がされている招き猫。
その首元には銀色の鈴の首飾りが光っている。
この門を開けたらその先には僕が望む景色が待っている。
今年も観に来れますように、とずっと願っていた景色。
青空に映える大きな花。
赤や青、黄色に光る花。
来たよ。
もしも神様がいるのなら
これだけ勇気を出してここまで来た僕たちに
最高の贈り物を。
続く