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〚俺が見る僕の部屋〛
少し長いです....はい。
内容も、うんって感じですが....よろしくお願いします....
ホラーっていいですねぇぇぇっっ!!
「おい、これマジかよ……」
俺は震える声で呟き、スマートフォンの画面を凝視した。
そこには、俺が今まさに住んでいるアパートの、俺の部屋が映し出されていた。
画面の向こうで、俺の知らない男が、俺のパソコンをいじっている。
__いや、
それだけならまだいい。画面の端に映り込んでいるのは、
俺が昨日買ったばかりの牛乳パック。そして、俺が脱ぎっぱなしにしたスニーカー。
これは、ネットの闇サイトで偶然見つけた、ライブストリーミングだった。
タイトルは***『生中継:絶望の部屋』***
どうやら、誰かのプライベートな部屋を盗撮し、それを配信しているらしい。
だが、映っているのは間違いなく、俺の部屋だ。
俺は心臓が口から飛び出しそうなほどに鼓動を速めながら、
ストリーミングのコメント欄を読んでみた。
---
<「これ、ホントにリアルタイムなの?」
「やばい、この部屋の人、いつ帰ってくるんだろう」>
<「ていうか、`奥に映ってるの`、なんかヤバくない?」
---
コメントに導かれるように、俺は画面の奥に目を向けた。
そこには、俺が普段使っているクローゼットが映っていた。
その扉が、少しだけ開いている。そして、その隙間から、まるで何かを
覗いているかのように、真っ白な指先が数本、見え隠れしているのがわかった。
背筋が凍った。俺は今、友達と飲みに出かけている。部屋は無人のはずだ。
それなのに、誰かが俺の部屋にいる。しかも、クローゼットの中に__。
俺はすぐに友人に別れを告げ、タクシーを拾った。早く帰らなければ。
あの男は何者だ?そして、クローゼットの中にいるのは? もしかして、強盗か?
頭の中が混乱する中、ストリーミング画面は、俺の知らない男が、クローゼットに
向かっていく様子を映し出した。男まるで何も知らないかのように、
笑いながらクローゼットのドアノブに手をかける。
__そして、扉が開いた。
クローゼットの中は、真っ暗だった。だが、その暗闇の中から、一人の女が現れた。
その女は、俺が昨日、駅前のコンビニで一目惚れした、あの店員にそっくりだった。
だが、決定的に違う点が一つだけあった。女の全身は、まるでバラバラにされた後、
雑に縫い合わされたかのように、不自然な継ぎ接ぎだらけだったのだ。
肌は死人のように青白く、そこかしこから糸がほつれている。そして何より、
その顔には、目も鼻も口もなかった。代わりに、あるべきはずの場所に、
幾つもの小さな穴が空いているだけだった。
男は悲鳴を上げ、後ずさりする。
女は、男に向かってゆっくりと歩み寄っていく。その縫い合わされた体から、
血が滲み出し、床にぽたぽたと落ちていく。そして、女は男の顔の前に立つと、
何もないはずの顔を、男の顔にぴったりと押し付けた。
---
--- **ストリーミングは、そこで途切れた。** ---
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俺は、恐怖に震えながらも、タクシーを降り、アパートの前に辿り着いた。
部屋の明かりは消えている。静まり返ったアパートの廊下を、恐る恐る進んでいく。
そして、自分の部屋のドアの前に立った。
ドアノブに手をかけようとした瞬間、部屋の中から、
何かを叩きつけるような鈍い音が聞こえてきた。そして、その音に混じって、
俺の部屋の壁を叩くような、硬い音が聞こえる。
俺は、ドアノブから手を離し、後ずさった。
ドアの隙間から、赤い液体が、ゆっくりと滲み出している。
それは、まるで心臓の鼓動のように、規則的に、ぽたぽたと滴り落ちていく。
俺は、自分の携帯電話の電源を、ゆっくりと入れた。
もう一度、あの闇サイトにアクセスしてみる。
すると、さっきまで途切れていたストリーミングが、再開されていた。
タイトルは、***『生中継:絶望の部屋』***
画面に映し出されているのは、俺の部屋の、クローゼットの扉。
そして、その扉の、隙間から.......
俺は、自分の部屋から聞こえてくる、あの鈍い音の正体に気づいてしまった。
それは、俺が、このドアの向こう側で、あの女にバラバラにされ、縫い合わされ、
そして、俺の顔が、あの女の顔に貼り付けられている音だった。
俺は、今、どこにいる?
この携帯電話を持っている、この俺は、誰なんだ?
次の瞬間、俺は、自分が今いる場所が、このアパートの、この部屋の、
クローゼットの中であることを悟った。
そして、俺の目の前には、あの女に成り代わった、もう一人の俺が立っていた。
--- **「 `おかえりなさい、僕` 」** ---
そう言って、もう一人の|俺《ぼく》は、俺に微笑みかける。
その顔には、目も鼻も口もなかった。
ただ、幾つもの小さな穴が空いているだけだった。
読んでくれてありがとうございます!!
少しあやふやなところがあると思いますが、それは“あえて”ですので、
よく読むと何か気づくことがあるかも.....!!(要は意味怖的な部分もあるってこと)