公開中
🔍ピートワールドとは
次の日、私は早めに歩いて登校した。
方向音痴だから、一人で行けるか不安で早く出たのもあるけど…何よりの理由は、|あの人《実桜くん》に会いたかったから。
実桜くんが早く来てなかったら意味ないんだけどね…。
ガラガラガラ…
あ…いる、二人。
実桜くんだ…!
もう一人は後姿の女の子。
まっ…まさか彼女さん!?
「あ、おはよ~…|純恋《すみれ》ほら帰って」
呼び捨て…や、やっぱり…?
「おはよぉ…あ、この子昨日先生が言ってた転校生!?」
「うん、さくらちゃんだよ」
「へぇ…あ、私は純恋!実桜の双子の妹でーす」
えぇ!双子!?
確かに、名札の名字いっしょだー!
ホッ…。
「んじゃ、私自分の教室帰るから~さくらちゃんもバイバーイ今度遊ぼーね!」
「は、はいっ!」
ガララッ…
ふぁぁあ…っ…教室に実桜くんと二人っきり…転校2日目でこんなことあって良いのっ!?
「荷物はロッカーに入れると良いよ」
「うん…!」
私は連絡ノートや筆箱をアワアワしながら出した。
そのせいで、筆箱を落として盛大に中身が出てしまった。
ジャラララッ…
私は素早くしゃがんで拾い始める。
私が少し離れたところに飛んだ消しゴムを拾おうと手を伸ばすと、消しゴムは骨ばった、白い手に持っていかれた。
私が見上げると、実桜くんがすぐそこに居た。
「わっ…?ありがとっ…!」
「はい、可愛い消しゴムだね」
かかか…可愛い…って!?
いや、私の事じゃないのは分かってるよ?
確かにこの消しゴム、ほんのりピンク色で可愛くてお気に入りだし…。
で…でもっ…。
「実桜くん、放課k…」
「おっはよー!実桜!」
「あ、|高野《こうや》おはよ~」
同クラ実桜くんの友達が来た。
「なぁなぁ、昨日の『ピートワールド』ヤバかったよな!」
「そうそう、高野新しい装備手に入れたんだっけ?」
ぴー…何?そうび?
私は家に帰って調べることにした。