第21話　人質

妖凛視点 妖凛「…で、お前は死ににきたの？」 おんりー「…いや、ぼんさんを返してもらう」 妖凛「ん〜…無理だと思うよ」 妖凛「だってね、僕には二人の姉がいるんだもん」 おんりー「姉…？」 ？？？「そうよ〜」 ？？？「妖凛…こんな弱いやつにトドメを刺せなくてどうする…？」 おんりー「…？」 ズバッ！ おんりー「っ！？いつの間に…っ！」 ？？？「うふふ…私の名前は狐神妖華よ」 ？？？「私の名前は狐神妖麗」 妖華「よろしくね♪」 おんりー「っ…」 無理だ。直感的にそう悟った。 おんりー「…」 グルォォォオオオオオオオ！！！！ 森竜ファフニール「肉を抉り、骨を砕け！神の爪！」 ゴォォオオオッッ！！！！！ ぼんじゅうる「…”防げ“」 ガキィン！シュゥゥウウ… 森竜ファフニール「っ！？」 言霊魔法…っ！？なんでそんな高度な魔法…っ！ しかも防がれた…っ！ ぼんじゅうる「water spear」(水の槍) 森竜ファフニール「”竜の鱗“」 ギャギィ！ギギギ… 森竜ファフニール「ぐ、うっ…」 まずい！破られる！ バキン！ザクッ… 森竜ファフニール「が、はっ…！」 血が止まらない。でも…心臓のほんの少し横に刺さったのは、一体なぜだろうか 森竜ファフニール「…」 妖凛「…人型に戻ったし、気も失ってる。でも…血が止まらないね」 妖麗「私の…神聖魔法が使えるかも…」 妖華「あら、じゃあお願いしてもいいかしら」 妖麗「神聖魔法　Lv.1」 パァァアアアッ！！！シュンッ！ 妖麗「止血はしてあるけど、多分この怪我じゃ動けないと思う」 妖麗「今のうちに運ぼ」 妖凛「凄い！後は僕と妖華お姉様に任せて！」 妖華「っ…ちょっと…重いわね…」 妖麗「頑張れ〜…」 ぼんじゅうる視点 ぼんじゅうる「う…っ、あ、れ…ここは…？」 寝転んでいる床は、冷たく、硬い。そして、すぐ側に傷だらけのおんりーがいた。 ぼんじゅうる「…？俺、何してたんだ…？」 ぼんじゅうる「安らぎの世界樹に行って、妖狐に出会って、それから…っ！」 ぼんじゅうる「手が…血だらけ…？なんで…っ、まさかっ！」 傷だらけの仲間に、血だらけの手。しかも、妖狐は洗脳する魔法が得意… ぼんじゅうる「あ、…っ、ああ…っ…」 ぼんじゅうる「あぁぁぁああああああああっっっ！！！！！！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ おんりー「ん…ぼん、さん…？」 ぼんじゅうる「っ、ごめ…っ、俺…っ！」 おんりー「…よかった、戻ったみたいだね」 ぼんじゅうる「…ごめん、これから見たことは誰にも言わないで」 おんりー「どういうこと…？」 ぼんじゅうる「…“神魔法 女神の涙”」 シュルル… おんりー「き、傷が…治っていく…」 ぼんじゅうる「ごめん、ずっと黙ってて… 母さんに言うなって言われてたんだよね…」 おんりー「…ねぇ、神魔法って一体なんなの…？」 ぼんじゅうる「…俺も少ししか知らないんだけどね。これは…」