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第二章 梶鈍マン of the world!!
**〜もくじ〜**
第一章 出会い。
第二章 タイムリミット ←ココ!
第三章 近づく流れ星
第四章 試練の成果
第五章 消えゆく希望
第六章 思い出の灯火
第七章 梶鈍マンの真意
第八章 流れ星の軌跡
第九章 二人の決意
**第二章 タイムリミット**
夜空を駆け抜ける星の光を背に、うかしまは体の疲労を感じていた。
市を抜けた先、川沿いの小道に差し掛かる頃には、空腹は少し満たされたものの、睡魔が突然体を襲う。
まるで鉛が胸に乗ったかのように重く、まぶたが自ずと閉じかける。
二人は急いで宿を確保した。市外れの小さな宿屋は、外見こそ古びていたが、中は清潔で畳の匂いがほっと胸をほどく。梶鈍マンは何事もなかったように、さりげなく女将に小銭を差し出した。
うかしまは少し気後れしながらも、背中に礼を返す。
暖かい布団に身を沈めると、眠気がさらに押し寄せ、まぶたが重くなる。
だが、頭の中では明日からの行程が断片的に巡っていた。
星はどの辺りに落ちやすいのか、地形はどうか、人の多い町や街道との兼ね合いは――。
梶鈍マンはふと窓の外を見やり、ぽつりと言った。
「流星群はあと六日しかない……急がなきゃならないのに、寝不足だとはな」
その言葉に、うかしまはハッと目を見開いた。
「えっ、あと六日……!? そんな、一週間しかないなんて…!」
それまで流星群の期間を知らなかった安心感が一気に崩れ、胸の奥から焦燥が沸き上がる。
布団の中で、うかしまは明日からの計画をつぶやき始めた。
「まずは森を抜けて…川を渡って……星が落ちやすい場所……えっと、あとは……」
しかし、鉛のような眠気が急に襲い、次第に頭を伏せてそのまま眠ってしまった。
梶鈍マンはうかしまの背中を見ながら、少し肩をすくめた。
「……仕方ない、明日もうかしまと探すかぁ」
目を向けた先には、机の上の小さな金庫。
うかしまが用心深くしまった古びたコンパスは、中で静かに眠っていた。
梶鈍マンは中を覗こうとするが、金庫に閉じ込められているため、手も届かずどうすることもできない。
仕方なく、彼は布団にもぐるうかしまの寝顔を確認しながら、明日の冒険に思いを巡らせるのだった。
夜は静かに更け、虫の声が窓の外で低く響く。
残り六日――二人の冒険のカウントダウンは、すでに始まっていた。
第二章が好評だったら第三章も書いてみようと思います!
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