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ニゴレンカイ 体調不良 風邪症状
KAITO(13) レンの兄。ミクの弟。ミク、レン呼び。
レン(11) KAITOとミクの弟。体が弱い。カイト兄さん、ミク姉ちゃん呼び。
ミク(16) KAITOとレンの姉。カイト、レン呼び。
2歳違いの兄弟。
さん人とも誰もいないセカイの皆ってことで解釈お願いします。似てないけど。
全員口調迷子。(ニゴKAITO兄さんのイベまだ見れてないんすよ…………)
KAITO兄さんの視点です
「ん……」
窓にかかったカーテンから少し朝日の光が漏れている。
俺はいつもより少し重たい体を起こした。
「ちっ……頭、痛いな」
まぁ、頭痛くらい大丈夫だろう。喉も痛いが、大したことではないだろう。俺はそう思い、リビングへと向かった。
「カイト、起きてる…?」
ミクの声が聞こえた。俺は「あぁ、起きてる。」そう答えた。
「カイト、レンが熱出したの…!だから薬局行ってきてくれる?冷えピタと飲み物買ってきて。お願い……!」
ミクが心配そうな声色で言う。
「解熱剤は?」
「解熱剤はあったから、その二つお願い。」
「…あぁ。わかった。」
俺はだるい体を動かし、薬局へと向かった。
一度レンの様子を見に行ったがかなりしんどそうだった。それを見ると、俺のこの頭痛や喉の痛みくらい、大丈夫かと思えた。
レンは、幼い頃から体が弱く、よく風を引いていた。おかげで看病などには慣れたのはいいものだが、自分の体調不良となると言い出しにくくなるのもあった。
「えっと…冷えピタと、飲み物か…」
ミクが渡してくれたこの二つの金額と、自分の財布も持ってきていたので、ついでに自分用に痛み止めも買った。
「ちっ……」
少しふらつくな、俺は帰り道、そう思った。思ったより、熱が酷くなってきているらしい。頭痛も酷い。歩くのが、いや、立っているのがやっとだ。そんな体調で俺は自分の家へと向かった。
足が重い。体が動かない。信号などで止まったときは近くにある体を支えられそうなものに寄りかかった。
「まずい……帰ったら寝るか。」
俺はそう呟いて、やっとのことで家にたどり着いた。
「ただいま。買ってきたぞ。」
「ありがとうカイト…!レンの部屋に、来てくれる?」
レンの部屋からミクの声が聞こえた。どうやらずっと看病していたみたいだ。
「持ってきたぞ。」
「ありがとう。冷えピタ、頂戴……」
「ああ。」
俺はミクに冷えピタを渡して、「ちょっとだけ飲み物冷やしてくる。」そう言って台所の方へ向かった。
ミクは今もしんどそうなレンにつきっきりで、俺のことなんて見ちゃいない。
冷蔵庫に飲み物を入れてから、自分の部屋に行こうと廊下に出た。
そのとき、視界がぼやけた。
「っ…!」
俺はドンッと壁に寄りかかった。
「はぁ…はぁ…げほっ、ごほ…っ、はぁ…」
立つのもやっとで、苦しくて、寒くて、歩けなくて、視界がぼやけ、ただただ壁に寄りかかっていた。
その数秒後、それすらもできなくて、俺は廊下に倒れた。
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「ん……」
俺が目覚めたところは、自分のベッドだった。
あれ…俺は…。あぁ、そうか。レンが熱を出したからものを買いに行って……そのまま俺も倒れたのか。
「カイト兄さん……!良かった………」
「レ、ン……」
まだ頭は重いし痛いし、体はだるい。とてもじゃないが起きれる状態ではない。
「大丈夫……?」
「あぁ」
全然大丈夫ではないが。
「僕が…熱出したからカイト兄さんが…」
「レンのせいでは…―――」
「でも、僕が熱出したらカイト兄さん、自分が体調悪くても、隠すでしょ?」
「!」
「だから、僕が熱を出さなかったらカイト兄さんはちゃんと休めてて…」
このまま行ったら、更に自虐モードに入るだろう。レンは体も弱いくせにそういうところも弱いから。
「だから、レンのせいじゃない。言わない俺も俺だ。レンはちゃんと休んでろ!」
「カイト兄さん……」
お前は、俺よりも見てもらえて、心配してもらえるんだから。
「しっかり休め。早く直せ。ミクの心配モードを止めろ。だから休め。」
「…わかったよ…カイト兄さん。カイと兄さんも、ちゃんと休んでね!」
「あぁ、そうする。」
そう言ってレンガ自分の部屋に戻ってから、ミクの声が聞こえた。
「…カイト」
「ん?ミクか…」
「その、ごめん。」
「いい。体調悪いって言わなかった俺も俺だ。それに、俺に比べれば…」
レンのほうがしんどそうだった。きっとあいつは立てもしなかっただろう。
「これからは、ちゃんと言ってね…!心配だから、」
「ああ、そうする。」
「……」
ミクは黙って安心したような顔をすると、
「しっかり休んでね。」
そう言って俺の部屋から出ていった。
俺も、心配はされる…のか。
いやいや、されたところでどうなんだって話だが。
「…レンだけじゃなくてよかった。」
家族であることには変わりなく、ただの使いっぱしりにされるわけでもないと、改めてそう思えた。
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数日後―――
「カイト兄さん!こっち行こう!」
「あぁ、レン待て…!」
「ふふふ」
俺たちは体調が回復し、久しぶりに3人で買い物に来ている。
「これ、カイト兄さんにすごく似合うと思うよ…!」
「え?あ。」
「着てみて……?」
下からキラキラとした目線が飛んでくる。俺はいいと言うしかできなかった。
「ぐっ…いいぞ」
その言葉を言った途端レンのキラキラが増した。
「仕方ないやつだな…」
「!カイト兄さん…!どういうこと?」
「なんでもない。着ればいいんだろう」
「うん…!」
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レンは今まで通り、体調を崩す事はあるけれど、まぁ、前よりは過ごしやすくなったと思う。
ここまで読んでくださりありがとうございました!