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一話 私の価値
私の名前は…本名はない。ただシェリーという偽名があるだけ。
その他には、異能力と双子の妹しかいない。
組織に助けられた。だから貢献するために殺し続けることが全てだと思ってたんだ。
でも、私は失った。組織から追い出されてしまったんだ。
なんとか逃げ切ったはいいけれど、機密情報も知っている私たちは、すぐに殺されてしまう。
もうどうするば良いのかわからず、途方に暮れていた時、一人の男性が助けてくれた。
これは、差し伸べてくださった光。
着いていってしまった、が、ここは、重要指名組織の…武装探偵社…。
初登場…w
夢→主人公
妹→妹(のちに変わります)
敦→中島敦
太→太宰治
国→国木田独歩
乱→江戸川乱歩
夢「カミカゼ…大丈夫か?」
カミカゼは、私の腕の中でぐったりとしている。おそらく、脱水症状と疲労だとは思うけれど…。
妹「__…姉さん…もう…すみません…役に、たてなくて__」
弱々しい声でそう口にする。どうしてこんな時まで、自分の身を気にしないのか。
夢「まだいくな、大丈夫だから」
妹「__だれも、助けてなんてくれないですよ__」
そんなこと、ああ、妹だけでも、神様、お願いします。
敦「ねえ、君たち…その、大丈夫?」
人!追手か!?
夢「誰だ!」
白髪の…男…?刃物、銃器の所持は無し、異能力は…おそらくある。追手の可能性はない。
なら、この刃はおろす…?知らぬ相手にいきなり刃を向けるのは失礼か。
夢「すまない、知らぬ相手に刃を向けるのは無礼だった」
敦「…それは気にしなくていいよ、他人に話しかけられるのは誰だって怖いだろうし」
常識的な人…。いいひと。
夢「…何故話しかけたのですか」
敦「その、きみの腕にいる女の子、体調悪そうに見えたから…心配になって…。それに、数日前からここら辺にいて…そこも気になってたから」
夢「…」
敦「えと…僕の働いてるところ、すぐ近くにあるんだけど…くる?他に困ってることがあっても助けられると思うし…どうかな」
カミカゼ…が助けられるなら。悪いことじゃない、きっと許してくれる。
夢「…行かせてください」
敦「君は歩ける?」
夢「大丈夫です」
敦「その子は僕がおんぶしていくよ」
夢「すみません、感謝します」
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ここは…っ。
敦「戻りました」
国「遅かったじゃないか、何があった…って誰だその二人は!誘拐でもしてきたのか」
敦「ちがいますよぉ…困ってた様子だったから…それにこの子、多分熱中症みたいで」
国「|女医《せんせい》がいらっしゃるはずだ。連れていくといい」
敦「すみません…あ、この子おねがいします」
国「わかったから早く行け」
ここにいちゃいけない。はやく、はやく、えっと、ころ…いやえっと。
国「大丈夫か?」
夢「はい。」
国「そうか。親御さんはいるのか?」
夢「親は…死にました。随分と昔に」
国「…すまない…嫌なことを…」
夢「気にしてませんので」
太「おはよ〜あれ〜?誰か来てるの〜?」
夢「っ!?」
太宰⁉︎な、んで、ここ、いや、こ、殺さなきゃ!
太「…おやおや、君のような女性にはこんなもの似合わないよ」
夢「!」
国「…」
止められた…急所を的確に狙ったのに。あのときと。
太「…あれ?きみ、見たことあるね」
夢「太宰…__殺さなきゃっ妹が殺される…__」
太「君…__殺戮の双女帝…姉だね?__」
夢「っ!?…__くそっ__」
国「知り合いか?」
太「まあ、そんなところ。だから私に任せてはくれないかい?」
国「…勝手にしろ」
太「はーい」
何が目的なんだろうか。また、異能力でも買われるだろうか。
妹だけはなんとしてでも、仕合わせにしなければ。
太「それで、どうして此処にいるのかい?」
夢「組織に捨てられた、それだけだ」
太「ふ〜ん…ま、お人好しの敦くんに連れてこられたんだろうね」
夢「…足を洗ったのか」
太「…まあね」
嗚呼、そっか。殺さずのマフィア、織田作之助が死んだからか。
太「じゃあいま、無職だね」
この口の聞き方、意外と腹立たしいな。まあ乗っかっておくか。
夢「…なんだ、雇ってくれるのか?」
太「…前衛にでれる攻撃系の異能力者は欲しいけどね」
夢「…いもうと、妹を安全にできるなら命だって、なんだって売るさ」
太「きみは谷崎くんと一緒だね。わかった、相談くらいはするよ」
たに…ざき?ああ、確か細雪とか…の?
夢「…感謝する」
太「あ〜そうだ、ちょっとこっち来て」
夢「?」
太「乱歩さ〜ん」
乱「なに〜暇じゃないんだけど」
太「まあまあ、ちょっとくらいお願いしますよ」
乱「…その子のこと?」
太「さっすが乱歩さん」
頭がよく切れる人か…たしか、江戸川乱歩といったか。異能力者でなくとも、異能力者と同等に渡り合える、かみに、愛された人、みたいな。
乱「…社長に言ってよ〜僕は何にもしないからね〜」
太「…残念」
夢「__江戸川乱歩。異能名、超推理。26歳。武装探偵社の頭脳。眼鏡によって制御される。お菓子や遊戯、推理小説が好み。福沢諭吉を慕っている。エドガーさんと仲良く…してる?__」
心理操作さえできれば、もう何も。
乱「僕のこと知ってるの?まあ僕って人気者だしね〜。そういえば、きみ、どこから来たの?」
夢「……京の都から」
乱「…異能力者か」
夢「…大したことはないです」
こんなの数ある特性の一つ。情報なんて。
乱「ふ〜ん。ま、僕は関与しないから適当にやったら〜」
太「はーい」
ここで、私に価値があることを証明しなくては。妹を守らなきゃ。
初めてまして。頑張ります。
よければこれからも読んでいってください。