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『データ系副生徒会長は恋の確率を計算できない』 第一章 データ女子の不可解な初期エラー
アユト
はじめまして、あるいはこんにちは!
アユトです!
こちらは完全新作ですね…フフフフフ
(やっとできたのうれしさです。この笑いは。)
あらすじ!
世の中のあらゆる事象は、ロジックとデータで説明がつく——そう信じて疑わない、学年一の完璧な副生徒会長・百目鬼 玻璃(どうめき はり)。
そんな彼女が、ある日突然陥った未定義の巨大なバグ。それが「恋」でした。
お相手は、ごくごく普通の男子高校生・佐藤 悠真(さとう ゆうま)。
「他人に取られる前に占有契約(交際)を結ばねば!」と焦る玻璃が、ネットの怪しい恋愛心理学を大マジメに実践しては空回りし、悠真側は「なぜか怒られている……!?」と戦々恐々とする、勘違いだらけのラブコメディです。
クールで完璧なはずなのに、悠真の前では耳を真っ赤にしてパニックになる玻璃ちゃんの「不器用すぎる人間味」と、二人のちょっとずつ縮まる距離感を楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは、第1章へどうぞ!
第1章:データ女子の不可解な初期エラー
「……勝率は99.8%。うん、完璧です」
放課後の生徒会室。ノートパソコンの画面を見つめながら、百目鬼 玻璃(どうめき はり)は小さく頷いた。
学年首席、運動神経抜群、容姿端麗。
生徒会副会長として完璧な彼女の画面に表示されているのは、ネット上の恋愛心理学を網羅した『対・佐藤悠真 攻略アルゴリズム』だ。
論理と効率を愛する玻璃にとって、世の中の出来事はすべてデータで説明がつく。
……はずだった。数日前までは。
『ねえ百目鬼さん、佐藤くんっていつも優しくて雰囲気良いよね。隠れファン多そうだし、なんだかんだモテそう〜』
友人のその何気ない一言が、玻璃の脳内で猛烈なエラーを引き起こした。
(モテる……? 佐藤くんが……? 成績も運動も平均値の彼が……? データの再検証が必要です)
気になってチラチラと観察を始めてしまったのが運の尽きだった。
困っている下級生にさらりと手を貸す姿や、楽しそうに笑う無防備な顔を見るたび、胸の奥がギュッと締め付けられる。
他の女子と楽しそうに話しているのを見かけると、未定義のアラート(嫉妬)が鳴り響くのだ。
(他人に取られるのは……嫌です。データ上は平均値のはずなのに、私の計算が狂ってしまう……っ! 取られる前に、迅速に占有契約(交際)を結ぶ必要があります……!)
そう決意した玻璃が本日仕掛けるのは、心理学に基づいた『ギャップ萌え&物理的距離の接近作戦』。
「み、水分の補給を推奨します……! あ、温かいコーヒーです、受け取りなさい……佐藤くんっ!」
萌え袖をつくり、上目遣いを意識しながら缶コーヒーを突き出す玻璃。
しかし、緊張のあまり全身の関節がガチガチに固まり、耳まで真っ赤になった彼女の顔は、どう見ても
極度の緊張で威圧感を撒き散らすカツアゲ犯だった。
「ひっ……! ほ、百目鬼さん……!?」
机を挟んで向かいに座っていた佐藤 悠真は、顔を青くして跳び起きた。
「ぼ、僕、何か失礼なことしましたか……!? 生徒会の備品壊してないし、遅刻もしてないです……っ! これ、ジュース代です……!!」
震える手で財布から千円札を取り出そうとする悠真に、玻璃はハッと正気に戻った。
(……やってしまいました。動揺のあまり、威圧的な態度をとってしまったようです)
慌てて握りしめていた缶コーヒーを机に置き、背けた顔を隠すようにメガネのツルを指で押し上げる。
しかし、真っ赤になった耳たぶまでは隠しきれない。
「……違います。決済を求めているのではありません。ただ、放課後まで残って生徒会の作業を手伝ってくれたお礼です。深い意味はありません」
冷たい声を作ろうとしたが、語尾がわずかに震えてしまう。
悠真は拍子抜けしたように目を丸くし、それからほっと胸を撫で下ろした。
「なんだ……びっくりした。百目鬼さん、すごく怖い顔してたから怒られたのかと……」
「威嚇したつもりはありません……」
「あはは、ごめんごめん。でも、ありがとう。いただきます」
悠真は笑うと、渡された缶コーヒーのプルタブをチキッと開けた。
その無防備で優しい笑顔を間近で見てしまい、玻璃の胸がドクンと大きく跳ね上がる。
(……ダメです。この笑顔です。周りの女子が彼を『モテそう』と評価する理由は、この無自覚な距離の詰め方にあります)
誰にでも分け隔てなく向けられるその温かさに、自分だけが特別でありたいと思ってしまう。
データや論理では説明のつかない「欲深さ」が自分の中に芽生えていることに、玻璃は居心地の悪さと、どうしようもない切なさを感じていた。
「……佐藤くん」
「ん? なに?」
「……いえ。冷めないうちに、飲んでください」
(……本当は、もう少しだけ話がしたかっただけなのです。こんな計算、どこにも書いてありませんでしたが)
玻璃は手元のノートパソコンを静かに閉じ、自分の胸の小さな痛みを隠すように、そっと息を吐いた。
第1章をお読みいただき、ありがとうございました!
完璧なアルゴリズムを組み上げたはずが、緊張のあまりただのカツアゲ犯になってしまった玻璃ちゃん。
「萌え袖×上目遣い」という王道テクニックも、力みすぎると恐ろしい威圧感に化けてしまうという切ない(?)現実を描いてみました。
しかし、データ通りにいかないからこそ胸がキュンとしたり、自分の予期せぬ感情に戸惑ったりするのが恋愛の面白さですよね。
悠真の無意識な優しさに振り回される玻璃ちゃんの恋は、まだまだ始まったばかりです。
次回・第2話では、生徒会の頼れる(?)存在であり、玻璃の兄でもある「生徒会長」がついに登場するかも……!?
さらに距離を詰めようと画策する玻璃ちゃんの、次なるポンコツ作戦にもご期待ください。
それでは、また第2章でお会いしましょう!(未定)
面白いとか…あとなんだろ…何でもいいので!
感想持った人は…ファンレターくれると嬉しいな…
ついでにほかのもよんでほしいな〜(完結したのは少ないけど…w)