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日🔥と雷⚡️の使い手、鬼になりました。 肆
月の光が雲の切れ間から覗き、森の中に淡い銀の光を落としていた。
夜の静けさが、虫の鳴き声と木々のざわめきに溶け込み、二人の少年の気配だけがそこにあった。
「もう休憩しようぜ〜炭治郎〜?」
善逸がぐったりと腰を下ろし、草むらに寝転がった。疲れと、どこか気の抜けた声が空に吸い込まれていく。
「柱も倒せるレベルにならないとっ…」
炭治郎は真剣な面持ちで木刀を握りしめていた。汗が額を伝い、額の傷のそばで光っていた。
善逸はため息まじりに言った。
「いや、上弦にならないと無理だろ。」
炭治郎はふと目を細めて空を見上げた。
「上弦の鬼たちに会ってみたいなぁ。」
その口調には、恐れよりも強い意志と、どこか好奇心さえ感じられる。
善逸はしばらく黙って、夜空の星を見つめた。
「……そうだな……」
「もう、俺たちが鬼になったこと、報告されたのかな。」
炭治郎がぽつりと呟いた。
「そうなんじゃない……?」
善逸の声は、かすかに揺れていた。
「そっか、笑」
炭治郎が笑った。どこか寂しさを含んだ、優しい笑いだった。
しばらく沈黙が続いたあと、炭治郎が言った。
「善逸、ちょっとこっちに来てくれるか?」
「え、?な、何?」
善逸は戸惑いながらも、近づく。
「なんで俺が鬼になったか、分かるか?」
「え……俺が、誘ったから……?」
「まあ、それもあるけどな……」
炭治郎は善逸の顔を真っ直ぐに見つめた。
「俺は、お前……善逸のことが好きだからだ。」
「へぇ〜……へ……?え!?!?」
善逸の頭の中が一瞬で真っ白になった。
(友達として……だよな?いや、それ以上なんて……期待しすぎか……)
声にならない思考のなかで、善逸はおそるおそる尋ねた。
「友達として……だよな……?」
炭治郎はきっぱりと首を振った。
「違う! 本気だ!!」
その言葉は夜の空気を切り裂くように響いた。
「え……あ。俺も……好き……///」
善逸の頬がゆっくりと染まり、目が潤んでいく。
「そっか! 一緒なんだな!」
炭治郎は笑顔で、まるで世界中の罪を許すように言った。
善逸は胸に手を当てながら、小さく呟いた。
(一緒……なんだ……)
風が吹いた。二人の髪がそよぎ、夜の静けさが、やさしく包み込んでいった。