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六
そして翌日、調査が始まった。
大和「ここが口裂け女の場所・・・」
宗真「どこかにイナリがいればいいんだけど」
どぬく「みんなあっち!誰かいるよ!」
どぬくが指差した先に、赤いコートの女性がいる。
どぬく「どうしたの?大丈夫?」
女性は振り向いて顔を見せた。
その顔を見た瞬間、大和達5人は絶句した。
口が裂けている・・・!
大和「うわぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
琉偉「絶対そうじゃん!口裂け女だぁぁぁぁ!」
藍人「・・・っ⁉︎」
みんな青ざめて逃げ出そうとしたが、
どぬく「待って!この子、普通の人だと思う!」
どぬくが大和達を呼び止め、顔をよく見るよう促す。
大和「あ・・・あれ?くっついてる・・・」
どぬく「この子、多分怪我とかして、口の横に傷跡が残っちゃってるんだ」
女性は涙目になっていた。周りが暗く見えなかったが、口裂け女のように、赤黒い傷跡が線になって残っていた。
女性「いっつも怖がられる・・・なんでこんなことに・・・っ!」
女性は顔を覆って泣き出した。
大和「何があったのか、どうしてここにいるのか。話してもらえませんか」
女性「わかりました。・・・私は|神崎怜羅《かんざきれいら》、今までは普通の大学1年生でした・・・。一月前に大学の友達と肝試しに来て、黒ずくめの男達に捕まって・・・。私は口を切り裂かれ、友達もみんな殺されてしまったんです。私の顔は気味悪がられるばかりで・・・。どうすることもできなくてここにいました」
琉偉「もしかして、李由ちゃん達が言ってた実験施設が⁉︎」
怜羅「実験施設・・・そうかもしれませんね。周りに人間が入っているカプセルや、沢山の薬とか手術台がありました。病院では無いと思います」
宗真「あの・・・そこにさ、狐のお面持ってる女の子いなかった?」
怜羅「えーと、いなかったと思います。でも置いてあった資料を持ってきたんですけど・・・狐のお面被ってますよね、練馬稲荷って書いてあります」
宗真「それ!俺の妻のイナリだ!」
どぬく「ええ⁉︎トラゾーさんの奥さんのイナリさんって、稲荷お姉ちゃんのことだったの⁉︎」
宗真「・・・ん?」
どぬく「あ、えーと・・・練馬稲荷は、俺の従姉妹なんです・・・」
藍人「マジか、そんなことある?」
怜羅「この子は踏切にいるみたいです・・・。漢字が難しいけど、多分そんな感じのこと書いてますね」
琉偉「踏切だから、きんさんがいるとこか!あの人達なら多分大丈夫だね!」
大和「怜羅さん、施設の場所わかりますか⁉︎」
怜羅「はい!こっちです!」
怜羅は5人を連れて歩き出した。
前回の登場人物
金森時哉(かなもりときや)
ワイテルズのきんとき。19歳。ワイテルズイチの歌唱力。
金豚恭介(こんとんきょうすけ)
らっだぁ運営の金豚きょー。24歳。苗字がコンプレックス。
式神秀都(しきがみしゅうと)
日常組のしにがみ。20歳。声も見た目も女性っぽい。
桐谷八雲(きりたにやくも)
ワイテルズのきりやん。22歳。マイクラの知識量がエグい。
吉川碧(よしかわみどり)
らっだぁ運営の緑色。20歳。よく喋り方がカタコトになる。
今回の登場人物
神崎怜羅(かんざきれいら)
口裂け女に勘違いされた女性。19歳。施設で口を切られてしまった。
練馬稲荷(ねりまいなり)
どぬくの従姉妹でトラゾーの妻。20歳。施設に囚われている。