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    たまには雨もいいものだろう
    
        peku
    
    
        grさん目線の軍パロものです。
短編よりの一話完結となっております。
苦手だなと思った方はすぐにブラウザバックお願いします
    
    
     しとしとと雨が降る梅雨の時期。
うざったい湿気が身を包む。望んでもいないのに、と陰鬱な気持ちを持ちつつも談話室へと向かう。
 この季節はどうも俺等をどんよりとさせるらしい。みんな何時もよりもやる気がないように見えるのはもちろん、普段はしゃんとしているエーミールや、ひとらんらんでさえ、どこかダルそうにしていた。ほら見ろ、大先生なんてとっくの前にソファにもたれて溶けてる。ちゃんと仕事しろ。と俺は溶けている彼を横目にコーヒーを飲もうとコーヒーメーカのもとへ移動する。
 その途中、おや、と俺は足を止める。窓の向こうには珍しく兄さんがいた。普段は武器商人で留守の彼もたまには寄ってくれるらしい。俺は談話室にいる奴らに声を掛ける。すると、途端に笑顔になってお茶菓子を用意しようとする彼らはどこか滑稽だった。ふ、と笑いが零れそうなったとき
「みんなして…なにしてるん?」と背中の方から声が聞こえる。
振り向けばそこにはトントンが。彼も休憩に来たのだろう。おそらく二徹…いや三徹目の痕跡だろう深いくまが彼をさらに不健康そうに映す。
だから俺は景気づけのために兄さんが来ることを伝えてみた。するとトントンは、
「ほんまに!?」と、喜んで今すぐ書類を片付けてくる!と今までの疲労はどこへ、すぐに部屋へと向かっていった。
 しばらくして、
「あー…なんでお前らはこの低気圧に耐えられるん…。」とソファの方から消沈した声が聞こえた。だが誰も気にすることはない。
にしても、眠りこけている大先生横目にサクサクとお茶会準備をしている彼らはすごいと思う。
 
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やはり兄さんは来てくれた。東洋をまわってきた帰りらしい。ひとらんらんの故郷のお土産のを持ってきてくれた。それにひとらんらんは目を見開いた後ふっと笑って「ありがとう。」といった。しかも茶会の最中にお菓子の匂いに誘われておきた大先生もしれっと混ざって茶を交えていた。もちろん、書類を終わらせたトントンも、14人みんなで茶会を楽しんだ。
 たまにはこんな日もあっていいかもしれない、と俺は思った。