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番外編 今日は日本で言うところのエイプリルフールだそうで、
エイプリルフール特別編を書いてみました🙇
良ければ見てみてください!
「あ、今日ってもしかして日本でいうところのエイプリルフール?」
私はふとそんな事を思い出した。
この世界には明確なカレンダーとかがないから、あくまで感覚ではあるけど、日本だったら今日は4月1日……エイプリルフールなのではないだろうか。
「エイプリルフール……ですか?」
サツキちゃんが私の言葉に反応して不思議そうに尋ねてくる。
「うん。……普段は嘘をついちゃいけないでしょう?でも|エイプリルフール《今日》は『嘘をついていい日』なの。もちろん罪のある嘘とかはダメだけど……面白い嘘をついて友達なんかと笑い合ったりできるイベントなの」
ざっくりいうとこんな感じかな?エイプリルフールの習慣のなさそうな異世界人にこの説明でちゃんと伝わっただろうか……。
「え!そうなんですか…!」
「まぁ、皆有り得そうな嘘をつきすぎて疑心暗鬼になる日でもあるのよね……」
「……私は」
「ん?」
「わ、私は、甘味が苦手です!!」
……え、一生懸命嘘をつこうとしているサツキちゃんが可愛いのですが。
「……おい」
「あ、レンさん」
「美味しそうな菓子を仕入れたから持ってきてやった」
そう言ってレンさんが差し出してくれたのは、確かに美味しそうな見た目の……フィナンシェみたいなケーキだった。
「え!!ありがとうございます……っいただきます!」
サツキちゃん、やっぱり素直だなぁ……。嘘をついても好きなものには抗えないみたい。和む。
「で、なんだ?さっきなんか嘘をつくとかなんだとかの話をしてなかったか?」
「ああ、聞いてたんですか」
私はレンさんに先ほどと同じ説明をする。
「嘘をつく日……」
何かを考え込むようにして下を向くレンさん。これ、嘘を考えているのではなかろうか。
そう思っていたけれど私がケーキを食べ終わってもレンさんは一切嘘をつかなかった。
「あー、美味しかった……」
フィナンシェみたいな見た目だけど味もまんまフィナンシェだった。多分これは……フィナンシェだ。
「これ、もしかしてフィナンシェって名前……ですか?」
「ん?違うぞ。トゥリーケーキって名前だ」
……あ、フィナンシェじゃないのね……。
『『『あ、嘘ついてるー』』』
いきなり現れた魔物が口を揃えてそう言った。
「ちょ!バラすなよ!」
慌てるレンさん。
赤い毛の魔物──レイの口元を見ると『フィナンシェ』と書いてある袋を咥えていた。
ちなみにこの世界の文字は勝手に脳内で日本語に変換される。異世界転移特典だろうか。
「……嘘だったんですね……」
「異世界だとそういう名前なんだー」……って感じで、騙されるところだったじゃん……。
「ヒリが今日は嘘をつく日と言ったんだろう。そう言われたら嘘をつきたくなるものだ」
「まぁ、確かに」
……こうなったら私も面白い嘘つきたいな。
「あ、そういえばレンさん──」
「嘘だろ」
「まだ何も言ってないです!!」
そんな感じで、異世界でのエイプリルフールは過ぎていったのだった。