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第九話 友達
毎回更新が遅くなっており、申し訳ございません。
良ければ最後まで読んで頂けると幸いです🙇
パン屋に行き、クロワッサンをレンさんの知り合いの女性から譲り受け、おまけにその女性に友達になりたいと言われ、次の日に一回改めて会ってみることにした。
……というのが、昨日のことだ。
つまり、今日がその女性──レーナさんと会う日である。
私はと言うと、ドキドキとワクワクを胸に、……簡単に言うと……緊張している。
「異世界で、初めて、友達が、できるかも、しれない……」
今でも夢なのではないか少し疑ってしまうほどだ。でもどうやら夢ではないらしい。
「今からレーナは|こちら《王宮》に向かうそうだ」
「わかりました……ふぅ」
レンさんの言葉に背筋をピンと伸ばす。深呼吸……深呼吸……。
「……ヒリ、そんなに緊張しなくていい。……本人に会えばきっと緊張なんて吹き飛ぶ」
レンさんは私を見て苦笑しつつそう言ってくれる。
「でも……私、知り合いと家で会う時とか、『今から行くね!』って連絡が来てからの待ち時間にすごいお腹痛くなるタイプなんですよ……っ!」
きっと、私と同じタイプの人もいるのではないだろうか……。
「ヒリさん、あったかいお茶を淹れましたので、飲んで緊張を和らげて下さいね」
サツキちゃんの気遣いがありがたい。
「ありがとう……あ、あったか……おいしぃ〜……」
サツキちゃん、お茶淹れるの上手……。でもまたソワソワしてきた。
「……魔物でもモフって緊張ほぐせ。ただ、__そんな緊張する必要も……ないがな__」
最後の方は小声だったので聞こえなかったが……私は助言通り魔物をモフりながらレーナさんの来訪を待った。
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「お、着いたらしいぞ」
「えっ」
魔物をモフっていたらあっという間に到着したと連絡が来たようだ。
「ヒリ、レーナを迎えに行くか」
「……はい」
私たちは王宮の門までレーナさんを迎えにいく。
入り口の門の前には、確かに昨日クロワッサンを手渡して下さった女性だった。
格好は違えど、やっぱり同一人物なんだ、とすぐわかるような雰囲気を持っている。
「は、──初めまし──」
レーナさんの目を見て言葉を選びつつ、挨拶をしようと思い、私は声を絞り出した──
けれど、その前にレーナさんに言葉を遮られた。
何故って、彼女が私に抱きついてきたからだ。
「昨日お会いしたので正しくは初めましてではないかもですが改めまして、私レーナと申します!腐れ縁の第一王子からヒリさんのことは昨日詳しくお聞き致しました。……大変自分勝手なのは承知の上ですがヒリさんと話してみたいと感じ、ご訪問させていただいた次第です」
レーナさんは私に抱きついたままつらつらと言葉を並べる。改めて聞くと綺麗な声だなぁと思いながら聞き入った。……ぁ、私からも挨拶をしなくては……っ。
「__ええと…… __この度はご訪問ありがとう存じます。話してみたいと思っていただけた事、私にはもったいないほど……」
「……ヒリ、堅苦しいのは無しにした方がいい。レーナは後々堅苦しいのはやめて、と………………言うだろうから」
……レンさん、『と………………言うだろうから』、の「と」と「言うだろうから」の間が気になります。
「ええと、じゃあ……ヒリです。よろしくお願いします。……とりあえず王宮の中にどうぞ」
「こちらこそ、よろしくお願いします!……では、お邪魔しますね」
こちら手土産です、と手渡されたのはメロンパンだった。
「昨日パン屋にいらしていたので、パンがお好きなのかもと考え、こちらを選んでみました。__……ただ、本当はあんぱんを買うつもりだったはずなのに、メロンパンを買っていたのは想定外でしたけど__」
「えぇ嬉しい!昨日買った私のメロンパン食べられちゃったから……ありがとうございます!」
そんなこんなで私とレーナさんはレンさんに来客室に案内され、きっとレンさんが気を遣ってくれたのだろう。部屋に2人きりにしてくれた。困ったら呼べと言う言葉を残してレンさんは部屋を出て行った。
「ええと……改めて今日はお誘いありがとうございます」
「いえ全然!こちらこそ誘いを受けてくださってありがとうございます」
「いえいえ、嬉しかったので」
最初はそんな会話をしていたが、メロンパンを食べたりサツキちゃんが事前に用意してくれていたティーを飲んだりしていると、「これ美味しい!」「わかる!」と砕けた口調になってきた。
次第にテンションが上がり、私のしくじり話、レーナさんの面白い出来事、などなど、沢山面白い話ができた。
「そういえば、あの子……昨日一緒にパン屋にいた子はどこに?」
「あ、サツキちゃんですか?」
「あの子にも会いたいな、と思っていたのだけれど」
ということで、連絡用魔道具でサツキちゃんを招待。
「__わ、メロンパン……!__」
部屋に入ってくるや否やメロンパンに反応を示したサツキちゃん。甘味好きのサツキちゃんらしい。
そして自己紹介を行い、3人で会話。
──いつのまにか私の緊張は遥か彼方まで吹き飛んでいた。
この日、私は異世界で初めて友達ができたのだった。
サツキちゃんも初めて「友達」ができたことに、心から喜んでいたのだった──
どんな話をしていたのか、詳しい会話シーンを時間の事情により省いてしまい、申し訳ございません🙇
番外編などでまた時間のある時に会話シーンを描きたいなと思っているので、もし良ければ気長にお待ちください…!
ここまで読んでくださりありがとうございました。
また一ヶ月後を目安に更新できるように、励ませて頂きます。