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最強エンターテイナーは、生理男子?2
ちなみにじぇるくんは生理男子のことなーくんに言ってないです
おなかいたい…
いたいいたいいたい…
「…るくん、…じぇるくん!」
ぼやける意識の中で、なーくんの声が聞こえた気がした。
「じぇるくんっ…!」
「ぇ、」
…のだが。
はっきりした視界には、紫色の髪をふわふわと揺らすなーくんがいて。
「な…くん?」
「う、うんっ、俺だよ…?大丈夫…?」
「ぇ゛…なんで、おるん…」
「あ、あの…ごめんね?勝手に入って…あの、じぇるくんミュートして
戻ってこなかったから…」
どうやら、俺がなかなか戻ってこなかったことで心配させてしまったらしい。
「ぁ、ごめん…ちょっと、」
「あの…もしかして、体調、わるい…?」
「ぎくっっ」
あぁ、あかん…これ、どうしよ…
今まで、誰にも言ってこなかった。
一人暮らし始めてから来たし、親にすら言ったことはなかった。
嫌われるのが怖くて、嫌がられるのが怖くて。
でも…なんでやろ
なーくんなら、
離れていかないんじゃないか
そう思ってしまった。
「あの…ぇ、と…」
「言いにくい、かな…言いたくなかったら、言わなくてもいいよ…?」
「ぅ、ぁの……っは、ひゅ…げほ、はっ…」
あかん、これ…むりかも、
「じぇるくんっ…!?落ち着いて、っ」
「はっ…は、あの…っ、」
「ん、だいじょぶだいじょぶ…」
「あ…の、おれ…」
そこから俺は、震えながら今までのことを話した。
おれは男なのに生理が来ること、一度付き合った女の子に「気持ち悪い」と
言われたこと。
途中で吐きそうになりながらも、全部話した。ほんとに、全部。
「はっ…ふ、ごめ、やっぱ、きもいよな…ご、めん…」
大丈夫、嫌われる覚悟で言った、うん、大丈夫…
「ううん、気持ち悪くないよ」
「……ぇ」
だけど、俺の耳に入ったなーくんの言葉は、暖かくて。
「なん、で」
「だって、生理が来てても気持ち悪くても
『ジェルくんはジェルくんだもん』」
「っ……」
初めて、そんなこと言われた。
初めてだった。
こんなに俺のことを大切にしてくれる人と出会ったのは。
俺のことを、好きと言ってくれる人と出会ったのは。
「あーでも、じぇるくんはずっと悩んでたんだもんね…?ごめんね、別に馬鹿に
してるわけではないんだけど…」
「っふ…ん、だいじょぶ…ありがと、」
「あっ、笑ってくれたぁ~♡」
そう言って笑顔になるなーくんに、俺はこの人には敵わないなと思った。
この人には…勝てっこないや。
私は、じぇるさんりすなーの中のごく一部…いえ、そんな一部にすら入れないくらいの
カスです。
でも、そんなカスでも毎日ジェルさんに癒されて、生きる意味をもらっています。
世界一かっこよくて、世界一かわいいジェルさんが大好きです。
次回のあらすじ
なんかほんわかやります