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誰も知らないよ7
はなは屋根付きのベンチに座って、お兄さんに話を聞いてもらう。
「ゆっくりで…いいからね。」
|彼女《はな》は、数分間は黙っていた。
次の瞬間。
「わ、私…、私なんて、死んじゃえばって思うんですっ…こんなに沢山の人に大切にされてるのにっ、ぐすん、私なんか…愚か者がって思う…んです…」
「うんうん、」
いきなり話し始めてのにも関わらず、彼はしっかり相槌を打つ。
「無理してないのに無理しないでって言われてっ、ちょっとでも休むと全てが遅れてっ、」
「生きるの諦めよってなっちゃうんですっ…」
彼女は泣いていた。やっぱり氷が溶けたのだ。
「僕もそんなときあるよ。でも、あきらめなかったから今がある。今まで、たぶん僕はいろんな人に救われて、いろんな人を救った。」
「未来なんてどうでもいいんだよ」
彼女は知らず知らずのうちに辛口になっている。
「そう思うよね。僕もそうだった。願いもしないのに時は進む。生きてる。いやだよね。」
彼は口を止めない。
「ねぇ、今、飛び込んで、いいですか?」
「ど、どこに?」
そこには予想もしないことが隠されていた。
「お兄さんに、、、、、」
数秒考えこんだ。彼の答えは。
「うん、いいよ。でも恋愛はしたくないでしょ、、」
「恋愛はヤダ。でも、苦しさしのぎのギューーーーーーーーが欲しいのです、私にはそれがなきゃ息ができない、んです。」
彼は笑った。誰だってつらさしのぎの抱きしめはいるよね、と。
「ほら、おいで。」
彼女は躊躇しつつもゆっくりと、、、
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