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プロローグ
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「ねぇねぇ、神様は死んだら何処に行くの?」
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『あらあら愛しい子。そんなに心配しなくても神様は人間に信仰されている限り死ぬことはないよ』
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「でも神様もいつか死んじゃうんでしょ?」
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『そうだね、神様もいつか死んでしまう。でも神様はいつも愛しいお前の側にいるからね』
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「本当に?」
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『えぇ約束するわ』
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嘘つき。
やっぱり神様は嘘つきだよ
あれだけ約束してくれたのに、僕の側から消えちゃったから
僕だけ一人ぼっちで神様は責任も取ってくれなかったね
僕だけの神様
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今日も夢を見た
誰かに縋るだった気がするけれど覚えてはいない
ニア「おはようございます庵様。本日はお早いお目覚めですね」
ニアに言われて時計を見てみるともう11の針を過ぎていた
なんだ早く起きすぎたかと思ったけどただの皮肉か
それにしては当たりキツくないかな?
仮にだけど一応主人ではあるんだけどね....
ニア「いいえ。つい先日死にかけたのにしてはよく起きていられるなと思いまして」
庵「いつもの事だから。体がくっ付いてるし...平気でしょ」
ニア「身体に管まで入れられてた人が言っていいことではないかと」
庵「まぁまぁ...生きてるから僕」
ゆっくりとベットから降りる
軽めの貧血に襲われるがニアが支えてくれたので問題はない
軽く屋敷の見回りをしていると願い人のみんなが一言挨拶をしてくれる
そりゃ願いを叶えてくれる人になら挨拶して当たり前か
どうせ僕に嫌われたくないからでしょ?
やりたくないならしなくてもいいのに
庵「今日のお仕事は無理。というか暫く無理かもしれない」
ニアに聞こえるように小さく呟く
彼の眉がピクリと動いた
ニア「何故ですか」
庵「ちょっと損傷が激し過ぎたみたい。無理が祟ったのもあるんだろうけど普段より力が出せない」
普段なら僕が祈ればどうってこと無いはずなのに
書き換える事が上手くできない
多分怪我のせいかな....あとアレも
庵「叶人の仕事はちゃんとやる。だけど今までみたいに一日に何人もは無理」
ニア「ならどうするのですか。断るなんてことをすればそれこそ」
庵「願い人達には申し訳ないんだけど制限を付けようと思う。この屋敷で生活をしてもらって本当にその願いを僕が叶える必要があるのか確認する」
もし僕の力でなくても問題無いならアドバイスだけすればいい
それならみんなに怪しまれずに済む
ニア「貴方は『叶人』です。絶対的権威の存在である事をお忘れなく。どんな形であれこれは信仰なのですから」
庵「僕は『叶人』の庵。神様の代わりだ」
ニア「分かっているのなら良いのです。さて庵様、来客のようです」
ニアは庭園の方を向きながら言ってきた
僕が見るとちょうど門が開いている所だった
今回は...1人か
この子も何やら抱えているみたいだね
庵「行こうかニア。新たな願い人を出迎えよう」
ニア「かしこまりました」
大丈夫
僕は『叶人』の稲荷屋 庵だからね
願い人の願いは僕が叶えるから