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エデン・テイル 3
ロープを下った先にあったものは、現代の文化とはかけ離れた、荒廃した現世だった。まだ周りには、たくさんの生徒達が、グループで相談している。
「ねぇ、どこから行く?」
「あ、安全そうなとこ・・・」
「え~!せっかくなら、面白そうな所いこーよ!」
「えええ!?やだよ!なにかあったら・・・」
ファルが話していた時だった。
「グォォオォオオオォオオオ!!!!」
「!? 何!?」
「へぁ!?何の音だよぉ!」
謎の咆哮が轟いた。
周りの生徒達はパニックになり、逃げ惑う。
その時、
「キャッ!?何これ!」
「降りてきたらこれって・・・」
ミーアのルームメイト、ルカとエマが降りて来た。
「エマ!それにルカも!私もよく分からなくて・・・」
ミーアがエマ達に近づいた時だった。
「ミーア!危ない!」
ファルがミーア達を抱え込み、倒れ込んだ。
その瞬間、瓦礫がミーアが立っていた場所へ落下した。
「ひえ・・・。ファル、ありがと・・・」
「・・・気をつけろよ」
そんな会話の途中、
「ガオォォオォオォオォォォオ!!!」
大きな咆哮と共に、声の主が現れた。
大きな狼を連想する見た目、頭にはユニコーンのような|角《つの》。
水色で、腹や顎に行くにつれて、段々と白っぽく色素が薄れていた。
「何この怪物!?」
「とにかく、逃げないと!」
周りのパニックが激しくなる。
ミーア達は、パニック集団にあっという間にもみくちゃにされた。
「むぐ・・・!ふぁ、ファル~!どこ~!」
「んぐぐ・・・こ、ここ!」
集団をなんとかかき分け、ミーアとファルは合流した。
しかし、
「グォォオォオオオォオオオ!!!!」
怪物は、パニック集団の中へ突っ込んだ。
「キャアアアアアアア!!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
怪物は次々に人を喰らっていく。
「あ・・・ぁあ・・・」
「ミーア!とにかくあっちに!」
ミーアはファルに手を取られ、人のいない場所へ連れていかれた。
怪物は未だに人々をなぎ払ったり、噛み千切ったりしていく。辺りには、血しぶきが舞った。
「あ・・・ふぁ・・・ファル・・・」
「・・・ミーア・・・大丈夫・・・」
段々と、人が少なくなり、代わりに飛び散った内臓が増えていく。
周りにほとんど人がいなくなった時だった。
怪物が、こちらを向いた。
「ひっ・・・」
「に・・・逃げないと・・・」
そう言うファルだったが、足がすくんで動けなかった。
「誰かぁ・・・助けて・・・」
助けを求めるミーアに、無慈悲にも怪物は近づいていった。
「ちょっと待って」
どこかから、そんな声が聞こえた。
「誰・・・?」
ミーアは何ながら顔を上げた。
「その子を襲うのは、やめなさい!」
近くの瓦礫の上に、ミーアと同じくらいの年の子供が立っていた。
短く髪をくくっており、背中には大きなリュックを背負っている。
「グルルルル・・・」
怪物が子供の方を見た。
しかし、そこにはもう子供はいなかった。
「早く、逃げるよ」
「えっ!?」
「うわっ!?いつの間に!?」
さっきの子供は、ミーアの横へ来ていた。
子供は、ミーアとファルの手を取ると、2人の手を引っ張って走り出した。
今回、クソグロいですね。あの、忠告しときますと、この話、こんな感じです。 そして、新しい登場人物が出てきました!この子はこれからレギュラーとして絶対に出てきますので、お楽しみに!