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名探偵と探偵-3
福沢side
やってきたのは、何の変哲もない住宅街。
こんなところに乱歩は本当にいるのだろうか。
篠崎「いるよ」
福沢「……!」
篠崎「ほら、そこの角を曲がれば見えてくるはず」
黒煙。
霧深い街ではないはずだが、道が続いているのか黒が分からなくする。
福沢「何なんだ、これは……」
篠崎「異能力。貴方たちがよく知ってる、摩訶不思議な力だよ」
そう篠崎が呟いたかと思えば、黒煙が道を開くかのように塀沿いに分かれた。
篠崎「ほら、誘拐犯が待っているよ。こうやって道も用意してくれているんだから、ちゃんとお邪魔しないと」
福沢「あ、あぁ……」
篠崎「少年のことなら、たぶん心配はいらない。ただ拉致されただけで、傷つけられてはいないことだろう」
福沢「なぜ断言できる?」
篠崎「簡単な話だ。これは江戸川乱歩という少年に用があるから、と拉致したわけではない」
まさか、と俺の言葉は小さく漏れた。
福沢「……俺のせいだというのか…」
篠崎「ま、自分を責める必要はないと思うけど」
何の感情も抱かないのか、篠崎は歩く。
俺はただついていくことしか出来なかった。
篠崎「2時と10時。来るよ」
福沢「っ、下がれ篠崎!」
刀を抜いて攻撃を受ける。
咄嗟に後ろへ引いてしまったが、怪我はないだろうか。
否、心配している暇はない。
篠崎「……私を、守った…?」
相手の武器は短刀のみ。
銃器がないのならば、ひとまずこの場を制圧するのは難しくない。
敵「くそっ、俺らじゃ刃が立たねぇ……っ」
敵「まだ準備が終わってねぇのに、この場所を探し当てるなんて……っ」
準備、とは何だろうか。
だが質問は後でいい。
今は篠崎を守ることを優先に──。
--- ぐはっ!? ---
──何が、起こった?
篠崎「篠崎探偵事務所の名刺の裏、見ていないね」
福沢「は……?」
篠崎「何でもおまかせ──まっ、私も戦えるから」
一瞬にして倒された男たち。
何が起こったのか、理解できなかった。
ただ、目の前の青年は微笑んでいる。