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第2章:出会い
その日、ユウはいつものように探索に出ていた。
朽ちた高速道路の橋脚を越え、崩れかけた病院を調べていたとき、遠くから銃声が聞こえた。
パンッ! パンパンッ!
瞬間、ユウは地面に伏せた。銃声はこの世界において死の予兆である。人の存在は希望と同時に危険をも意味していた。
音の方向を見やると、煙が上がっていた。ユウは迷った。行くべきか、避けるべきか。
だが、そこにはミナがいるかもしれない。いや、誰かが彼女の手がかりを持っているかもしれない――そんな一縷の望みに突き動かされて、ユウは慎重に音の方向へと進んだ。
廃墟の角を曲がったとき、ユウは目を疑った。
倒れているのは、大人の男。そしてその前に立ちすくんでいたのは、自分と同じくらいの歳の少女だった。
彼女は手に銃を持っていた。震えていた。目は涙に濡れていた。
「……あなた、誰?」
少女が問いかけた。ユウはゆっくりと両手を上げ、敵意がないことを示す。
「敵じゃない。名前はユウ。君は?」
少女はしばらく黙っていたが、やがて絞り出すように答えた。
「……カナ。カナっていうの」
前書き書くのめんどくさい