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狐面青年は全てが面倒くさい-1
暫く主人公(オリキャラ)出てこないかも
武装探偵社事務室。
そこではいつもの面々が事務作業を行なっていたり、駄菓子を食べたりしていた。
「━━失礼する」
ノックと共に扉が開かれ、そんな言葉が聞こえてくる。
乱歩が駄菓子を食べる手をやめて顔を上げて云った。
「そろそろ来る頃だと思ってたよ」
「やはり名探偵にはお見通しか」
入室時から判っていたが、敦はその男を見て少し警戒する。
扉の前には黒外套を纏った、まるで死神のような男。
「……芥川」
「相変わらずの間抜け面だな、人虎」
「間抜けッ……!?」
今にも殺し合いが始まりそうな中、太宰は欠伸をしてから呟く。
「森さんも苦渋の決断だった、か」
さて、と立ち上がった太宰が敦と芥川の間に入る。
全員成人の筈。
しかし、まるで二人は子供のようで、太宰は止める親みたいだ。
「資料は太宰にでも渡しといてよ。後はこっちでどうにかする」
「……了解した」
芥川は太宰へ封筒を渡すと、そそくさと帰っていった。
「おい芥川、いつもみたいに太宰さんに絡まないのか?」
「貴様、僕のことを何だと━━」
そこまで云い、芥川は言葉を止める。
「……現在ポートマフィアは貴様と違って暇ではないのだ」
失礼する、と芥川は早足で探偵社を去る。
敦は乱歩へ訪ねる。
「資料って、マフィアから依頼ですか?」
「依頼自体は政府だ。でも、彼らが一番情報を持っているからね」
敦の頭には“はてなマーク”が浮かぶばかり。
それを見た太宰は、封筒から資料を取り出して敦へ見せる。
「この名簿はこの二日間で壊滅させられた日本の裏社会組織の一覧」
敦は驚く。
これでもかというほど、紙に敷き詰められた文字。
沖縄から始まり、どんどんと北上してきたのか、最後は神奈川で終わっている。
一番最後など、マフィアと敵対している組織でずっと苦戦していると国木田が先日話しており、敦の記憶に新しい。
「ざっと135件。海外組織も入ってるから結構な量だね」
「まず、そんなに裏社会の組織があったことに驚きなんですけど。……というか、こんなこと出来る組織なんてあるんですか?」
「前までの組合《ギルド》ぐらいだろうね」
じゃあ誰が、と敦が問う。
「犯人は“個人”だ」
「……は?」
「一人で全て壊滅させている。中には異能組織や、完全武装の組織もあったらしい」
ほら、と国木田が少し避けてパソコンの画面を見せる。
敦が覗き込むと、画面には幾つも防犯カメラの映像が映っていた。
その中の一つを国木田が拡大させる。
「……お面?」
「狐面の組織といえば国内に幾つかあるのだが、其処も潰されてる。だから個人と断定した」
画面に映る狐面をつけた人影。
黒い髪は結構な長さだというのに結われておらず、格好からも男女の判別はしにくい。
「特務課はこの人物を“FOX”と名付けた。次の標的はマフィアなのか、多くの構成員がやられているらしい」
「まぁ、一応この街にもバランスがあるからね。これ以上マフィアがやられると海外組織が拡大して厄介なことになる」
「じゃあ、探偵社の依頼は━━」
あぁ、と国木田が眼鏡を光らせる。
「“FOX”の目的と異能力の解明、並びに捕縛だ」
次回、2話。