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5th
「しょーちゃん?」
自分の口から出た言葉に僕もびっくりする。
「へ、?」
相手も驚いているようだ。
それもそうだ。
いい年した大人が__といてもまだ18歳だけど__木の上にいて、そして自分の名前__若しくは全く知らない人の名前を呼ぶのだから。
「ま、まさかいむくん?」
相手の口から僕の名前、あの時君がそう呼んでくれた、その名前が出る。
「わぁ...!奇跡ってあるんやぁ...。」
しょーちゃんは嬉しそうに頬を赤らめて微笑む。
僕も嬉しくなり、木から飛び降りた。
そして、暫くぎゅってしてた。
「まさか、こんなところで__いや、違うね。ここで会うって言ったもんな。」
「うん!」
...
「まろちゃん、元気にしとるかなぁ...。」
「今年で20歳でしょ?いいなぁお酒とか飲めるんだぁ...。」
「今日、僕んち止まる?」
「え、いいん!?やった...!」
家に帰ったら、お母さんはびっくりしてた。
僕が人を家に呼んだ事なんてなかったから。
しょーちゃんやいふくんも、秘密基地で会うだけだったから。
それでもしょーちゃんを家に呼んだ理由が僕にはある。
しょーちゃんと、
...もっと話したかったから。