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月からきたおひめさま
「ひめー!そろそろ学校に行く時間よ!」
朝、階段の下からお母さんの声が聞こえてきた。
「はーい!」
ひめは鏡の前で髪を整えていた。
今日から、いよいよ学校という場所に通うのだ。
「学校……ってなんなのだ」
ひめは小さく呟いた。
前世では、毎日を屋敷の中で過ごしていた。
外に出ることも、自由に友達と遊ぶことも、ほとんど許されなかった。
だからこそ、今度の人生では違う。
「この世界では、たくさん遊んで、たくさん友達を作るのじゃ!」
かぐやひめは元気よく部屋を飛び出した。
***
「ここが学校……!」
目の前には、大きな建物があった。
校庭では子どもたちが楽しそうに走り回っている。
「ひめ、今日からここでお勉強するのよ」
「うむ!楽しみじゃ!」
「ふふっ、頑張ってね」
お母さんに見送られ、かぐやひめは校門をくぐった。
もちろん、お母さんはひめの前世のことなど知るはずもない。
ひめが普通の女の子として、新しい人生を歩んでいると思っているだけだった。
***
「みなさん、席についてください」
教室に入ると、先生が黒板の前に立っていた。
「今日は新しいお友達を紹介します」
先生が廊下に向かって手招きをする。
「入っておいで」
「う、うむ!」
ひめは少し緊張しながら教室へ入った。
クラス中の視線が集まる。
「今日からこのクラスに来た、ひめさんです。みんな仲良くしてあげてね」
先生に促され、ひめは黒板の前に立った。
「ひめと申します。よろしくおねがいします。」
……。
教室が静まり返った。
「あれ?ひめさん、もう少し普通に自己紹介してみようか」
「ふ、普通……?」
ひめは困ったように首を傾げた。
すると、教室の後ろから笑い声が聞こえた。
「なんかお姫様みたい!」
「しゃべり方おもしろーい!」
「むぅ……!」
ひめは頬を膨らませた。
(現代の子どもは、ずいぶんと遠慮がないのじゃな……)
***
休み時間。
かぐやひめが窓の外を眺めていると、一人の女の子が近づいてきた。
「ねえ、ひめちゃん!」
「はっ!はい!」
「私、さくら!よろしくね!」
さくらは明るい笑顔で手を差し出した。
ひめはその手を不思議そうに見つめた。
「これは……?」
「握手だよ!」
「ほう!これが握手というんですね!」
ひめはさくらの手を握った。
「これで友達だね!」
「友達……」
ひめはその言葉をゆっくりと繰り返した。
前世では、自由に友達を作ることも難しかった。
だから、こんなふうに誰かから友達になろうと言われることが、なんだか嬉しかった。
「はい。よろしく頼みます。さくらさん!」
「ふふっ、よろしくね!」
***
その日の帰り道。
さくらと一緒に歩いていたかぐやひめは、ふと空を見上げた。
青い空の向こうに、うっすらと白い月が浮かんでいる。
キーンコーンカーンコーン。
昼休みを知らせるチャイムが鳴った。
「みんなー!給食の準備を始めましょう!」
先生の声に、教室が一気に賑やかになる。
「ひめちゃん、給食だよ!」
隣の席のさくらが、嬉しそうに声をかけてきた。
「きゅうしょく……?」
ひめは首を傾げた。
「そう!学校で食べるお昼ごはん!」
「まあ!学校でもお食事をいただけるのね!」
「うん!今日はカレーだよ!」
「かれー……?」
ひめは聞き慣れない言葉に、目をぱちぱちさせた。
(かれーとは、いったいどのようなお料理なんだろう……)
***
しばらくすると、給食が運ばれてきた。
大きなお鍋に入ったカレー。
しばらくすると、給食が運ばれてきた。
大きなお鍋に入ったカレー。 お皿に盛られたごはん。 牛乳にサラダ。
ひめは目を輝かせた。
「わあ……!なんて豪華な食事なの!」
「え?いつもの給食だよ?」
「これが毎日たべられるの!?」
「そうだよ!」
「なんてすごい学校なの……!」
かぐやひめは感動したように両手を合わせた。
さくらは思わず笑ってしまった。
「ひめちゃん、反応が面白いね!」
「そう? わたし、ただ感動しているだよ!」
そして、ひめはカレーを一口食べた。
「……!」
目を大きく見開く。
「うま……!」
「カレーだよ!」
「とても美味しい!甘くて、少し辛くて……魔法のよう!」
「そんなに気に入ったんだ!」
「うん!ぜひおかわりしたい!」
かぐやひめは満面の笑みを浮かべた。
***
給食を食べ終えたあと。
「ひめちゃん、牛乳飲める?」
さくらが牛乳パックを指差した。
「飲めるよ飲める!」
かぐやひめは牛乳パックを手に取った。
しかし、開け方が分からない。
「……あれ?」
右に引っ張ってみる。
開かない。
左に引っ張ってみる。
やっぱり開かない。
「うーん……」
かぐやひめは真剣な顔で牛乳パックを見つめた。
「ひめちゃん、どうしたの?」
「この箱、どうすれば開けるの……」
「えっ!?開け方知らないの?」
「うん..。どうやら、なかなか手強い相手だな……」
「牛乳パックと戦ってるの!?あはは!」
さくらは笑いながら、開け方を教えてくれた。
「こうやって開けるんだよ!」
「おー!すごい!」
かぐやひめは感心したように頷いた。
そして、ようやく牛乳を飲むことができた。
「えへっ。今日も頭よくなっちゃった!」
***
帰りの時間。
「ひめちゃん、明日も一緒にお昼食べようね!」
「もちろん!」
かぐやひめは嬉しそうに微笑んだ。
前世では、誰かと気軽に笑い合うことなど、あまりできなかった。
けれど今は違う。
隣には、一緒に笑ってくれる友達がいる。
(この世界、本当に素敵な世界だな!!!)
かぐやひめは空を見上げた。
そこには、まだ明るい空にうっすらと月が浮かんでいた。
「……お月様」
かぐやひめは小さく呟いた。
そして、再びさくらの隣を歩き始めた。
月からきたおひめさま2話投稿しました!!!!
突然キャラ変わっちゃったかな(-_-;)
あざとかわいい&天然キャラにしようと思っていたけどお嬢様になったw
読んでくれてありがとう!!!!!!