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檻ノムコウ雨ハ笑ウ 3
②雨、檻です
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【人物紹介】
・宮園 礼(みやぞの れい) 15歳。ユイの相棒。おっちょこちょいだが性格は良い。美人。身長は高め。人類思考感知症。余命3年。8/10誕生日。
・春架 唯(はるか ゆい) 15歳。レイの相棒。冷静沈着で大人っぽい。美人。身長は低め。思考力異次元能力保持者症候群。余命3年。8/10誕生日。
・Z ???
(身長低め、女性、ドレスを着ている、サングラスをかけている)
「うーん。」
私、宮園礼はずっとファイルをまとめ続け、こりにこった体を背伸びさせる。ユイの部屋からドレスが見つかって以降ユイの行動を注意深く見てみたけど何変哲もなければ怪しい行動もない。
「レイ。次はYとKってやつ。幹部レベルのようよ。」
「OK。どこら辺探る?」
「雑居ビルを突き止めたからそこに突入するわ。」
雑居ビルをもう突き止めたのか……相変わらずユイは早い。
「ん。」
ユイは何故か少し微笑んだ。
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決行日。私達はユイが突き止めた雑居ビルに潜入した。
「ユイ。ミッションs。実行します。」
「ええ。」
私は中に入る。中にはよく分からない段ボール箱や理科の実験で見たような道具まで色々あった。
「ユイ、アメアメ。」
「はい。」
上から大量の雨が降ってくる。これはUの時に使った秘密の水。
これで中の人は倒れているはず。私はドアを開ける。中には2人の男女が倒れていた。
「ユイ、成功。」
ユイからの応答は無かった。
私は取り敢えず2人をデビルに連れて行く。
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「Z様は……紫の艶やかな髪の毛です。髪は長め。」
「口調は、theお嬢様っていう感じで…」
2人の名前はYとKというらしい。Yは警護担当でKは幹部のリーダーなんだとか。
「あの。カチューシャはつけてますか?」
カチューシャはユイが必ず着けているもの。
「いいえ…あ、ドクロのヘアピンはつけてました。」
「あ、分かりました。」
そんな感じでYとKからの事情聴取は終わった。
自室に戻る。さっきの情報をファイルにまとめ、読み返してみた。
『Z・・・身長は低め、女性、ドレスを着ている、サングラスをかけている、艶やかな紫の髪、口調はお嬢様風、ドクロのヘアピン、髪は長め』
か。
トントン
ドアを叩く音が聞こえる
「お茶持ってきたわ。」
「お、ありがと」
私はお茶を飲む。部屋は暑かったのでお茶の冷たさが心地よい。
「レイ。Zの事だけど。情報をまとめるとさ、似てる人いるよね。身長は低め、女性、艶やかな紫の髪、髪は長め。思い当たらない?」
ユイは微笑みながら聞いてくる。
「……ユイ?」
「ふふ。それって私にそっくりだよね。ふふふ。」
「え……でも。Zは私とユイに人類思考感知症と思考力異次元能力保持者症候群を私達に起こさせて、雨記憶感知症も撒いた。これはあってるよね。ってことはユイは。ううん。Zは自分に撒いたって事……」
「そ、あたり。あ、後1個嘘ついてたんだっ!」
「嘘……?」
「余命18年っていうのは嘘でしたぁ!で、本当はね!余命16年でーす!」
「今日は8/9の12:00。私の、私達の誕生日まで後12時間程……」
「うん!」
私はふらっと倒れた。
「ふふふ。あのお茶に睡眠薬を仕込んだんだよねー!11時間くらいは眠ってられるよ!眠りながら死ぬの!」
私は薄れる意識の中笑うユイ、Zの顔を見つめた。