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イージア2
こんにちはー!
意外と早く第二話が書き上がりました!こないだよりブラックの可能性あり、注意。
朝起きて、まだ自分が生きていることに嫌気がさした。
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次々と善人が死んでいく。私みたいなこんな悪人が生き延びていてはいけないのに。
能力を持っているのに何もしない、する勇気がない。死んでいいと思っているのに能力を人の前で使おうとしない。つまり、まだこんな自分を好きなんだ。
__まあ、こんなこと言ったって自分を嫌いにはなれないし、私は自分勝手なままだ。
私は、消えたいんだ
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「ねえ!ミリルちゃん、ミリルちゃんが来るの遅いからほんとやばいの!宿題見せて!」
「それ、私のせいじゃなくない?」
「だって〜…面倒くさいんだもん!」
「みんな面倒くさいでしょ…っていうか、今日の宿題漢字の書き取りだよ?見せてどうするの」
「んあっ…じゃあ、やって!」
「もっとダメでしょ!」
アハハハハ…キャハハ…
笑い声に埋もれて一緒に笑いながら、心からみんなに混じれない自分に今日も困惑していた。
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「カジマさん?」
算数の授業中だった。
カジマというのはうちのクラス1のぶりっ子のことだ。よく仮病で早退する。
みえみえの仮病のくせに、先生もよくあんなに毎度毎度騙されるものだ。
「カジマさん?」
「……うぅっ…は……い…?」
わざとらしい荒い呼吸音に鳥肌が立った。
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カジマが早退してから、私は自分を押し付けていた。
「ずるい」「具合が悪い。私も早退したい。あいつよりも……」
あんなのは愚の骨頂だ。早退したってそもそも居場所はないし、罪悪感に襲われるんだから、意味はない。あいつよりもじゃない。優劣なんてつけてはいけない。
結局できてしまうんだから、平気だ。そう思って、「嘘の吐き気」をおしこんだ。
__ああ、勝手に自分に縛られてる私って、ほんとおっかしい。
乾いた笑いが漏れた。
聞こえないくらいの大きさの音だったのに、カイムがバッと振り返って私を見た。
私はいつものように、笑顔を浮かべて首を傾げた。
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帰り道。
「なあミリル、ミリルっていっつも笑わないよな」
カイムにそう言われて、笑ってるはずだけど、と首を傾げた。
カイムは苦笑して、笑ってないよ、といった。
「笑ってないよ、笑えてないんだよ。ミリルはさ__」
そのあと、カイムが私に寄り添ってくれる言葉をかけてくれていることがわかった。けど、聞こえなかった。
__アハハハハ…キャハハ…__
そうだね。そうかもしれない。心から笑ったことが、あっただろうか。
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なんで私はイージアに生まれたんだろう。どうして氷と水の能力を与えられたんだろう。
誰もいない家の中で、一人問答を繰り返す。
もし私が普通のノイズだったら、私はカイムみたいに明るくなれたかな。
静かな家は、私に寄り添うことはなく、傷つけることもなく、ただ同調を促してくる。
私は抵抗もせず、ただ静かな闇|《うそ》に埋もれた。
1183文字。ちょっと短めでしたね。
どうでしょう…けっこうブラックだったような気がしているんですが…
「嘘の吐き気」…どっかの日記で書くかも?多分よくわかんないと思います。
読んでくださってありがとうございました。
現在自主企画を開催中です。できれば参加お願いします。キャラ募です。
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