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4 ネットとの確執
同日、すたぽらはツアー最終日で、大阪ライブを終わらせたところだった。
メンバーの1人、くにとして活動している国枝雷都は、控え室で他のメンバーと話をしていた。
雷都「あ、そうだ。俺の従兄弟が大阪に住んでるんだよね」
れる「そうなん?」
雷都「うん。今から従兄弟の家行かない?周防舞音って言うんだけど」
こえ「そういえば前言ってたね!俺会いたい!」
幽魔「大阪観光は前行ったし、いいかもね」
雷都「じゃあ電話してみるね」
小太郎「おねがーい」
一方その頃、周防舞音はあの騒動が起こって以降、ネット活動を完全にやめてしまった。
ネットに触れることが嫌だった。
何もやる気が起きず外をぼーっと眺めていると、携帯が鳴った。
開いてみると、それは5つ年下の従兄弟からの連絡だった。
そういえば連絡取ってなかったな、と舞音は電話に出た。
雷都「舞兄さん!久しぶり!」
舞音「おぉ、雷都か。どうしたん?」
雷都「今さ、大阪にいるんだよね。せっかくだし今から遊びに行きたいなって」
舞音「ええけど・・・なんで大阪来たん?」
雷都「実はね、俺歌い手やってて、メンバー達とツアーしてたんだ!だから、メンバー達も連れて行くことになるかも」
舞音「歌い手、かぁ・・・。ええよ、メンバー連れて来ぃ」
雷都「ありがとう!じゃあこれから行くね!」
そういうと、電話を切られた。舞音はあまりスッキリしなかった。
自分が何より避けていたネットの世界で、ツアーができるほど活躍している雷都に会う。
それがどうしようもなく嫌だった。でも、久しぶりに会えるのだ。雷都の気持ちを優先したかった。
ピンポーン
舞音「・・・はぁ」
舞音は憂鬱な思いで雷都を出迎えた。後ろにいる4人はメンバーだという。
舞音「久しぶりやな」
雷都「元気そうだね。安心した!」
舞音「まぁな」
4人「お邪魔しまーす!」
舞音はしばらく5人と談笑していた。ネット活動の話をする時だけは、笑えなかった。
あっという間に時間が経ち、5人が帰る時間になった。
こえ「今日はありがとうございました!」
雷都「また遊びに来てもいい?」
舞音「あー・・・」
できれば来ないで欲しい、そう言いかけた時。
?「キャアアアアアアアアア⁉︎」
すぐ近所にある公園から悲鳴が聞こえた。慌ててそこに向かうと、少女が公園の湖に落ちたのが見えた。
幽魔「今、誰か落ちたよ⁉︎」
小太郎「いた!あそこ!」
幸いにも、岸に近いところに浮かんできた。伸びて来た小太郎の手を掴み、少女はなんとか這い上がった。