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友情だいありー 【上】
春の風がふわりと吹く放課後の校庭。
ひまりとみつきは、いつものように並んで歩いていた。
みつき「ねえ、ひまり。あの新しい曲、どう思う?」
ひまり「うーん、悪くはないけど、なんだか物足りなく感じるんだよね」
みつきは小さく眉をひそめる。
みつき「私たちには、もっと強いメッセージが必要なんじゃないかな」
ひまり「強さって、どういうこと?」
みつき「たとえば、今までの自分たちに挑戦すること。変わること」
ひまりの表情が少し曇る。
ひまり「変わるのは怖いよ。今のままがいいって思う自分もいる」
みつきは、そんなひまりを理解しようとするけれど、どこか距離を感じていた。
みつき「ねえ、話してほしい。もっと素直に」
ひまり「うん、わかった…でも、すぐにはできないかも」
二人の間に、小さな溝が生まれたことにまだ気づいていなかった。