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水戸光圀の焼き立て
「チーズイン焼きナマコ!」
「何でもチーズインすりゃいいってもんじゃないだろう」
しかし目の前に出されたナマコは表面がパリパリに焼けていてじゅわっとした肉汁が吹きこぼれている。チーズはチェダーとカマンベールとモッツァレラチーズの三種入りだ。おいしそう。
しかしナマコだ。
「ほう、貴様、目の色が変わったな」
いやいやいやいや。
「拙者の目はごまかせんぞ。その方、食指が動いたであろう」
「いや、その」
「しかと見たぞ。貴様、チーズがあれば何でもありでござろう?ごはん3杯はいける口でござろう」
いやいやいやいや、マヨラーじゃあるまいし。
「遠慮せんでよい」
ドーンとチーズイン水戸光圀が置かれた
ナマコの隣に横たわる。
「何?」
「あーーーっ!」
「ああ、お腹すいてるんだな!」
「いや、お腹空いてないし!」
「そうか、ならいいが」
そして俺にナマコを配すると
「「「「いやそれ、これ、やばいんじゃ!」」」」」
「なんで?チーズ?」
「いや、俺、チーズ食うのが好き…」
「「いや、お前が食った方が」」
「いや、俺が食う?」
「いやいやいや、チーズは絶対ダメだかんな!」
「え?え?」
「このチーズは私が作ったものだ!こんなところに乗り物を置いていない!」
「あー、だから、俺、チーズ苦手だし」
「そうではない!チーズは皆、食べるんだ。だから、これは、チーズの問題であって、チーズでお釣りの支払いはどうなるんで!」
そして俺はチーズナマコを口に放り込んだ。
「あーっ!口にチーズがのった!」
しかしこの水戸光圀の焼き具合はどうだ。こちらも食欲をそそられるものであった。
「どうだ、我が水戸光圀の焼き立てナコマイカは?」
「あ、美味い。お前、料理だけは美味いな」
「そうか。これも神の思し召しなのだな」
「いや、たまに食べたくなるものだ」
そういって俺もチーズナマコを食べる。これはチーズを使用した料理だからだ。
「やはりそうだったか!」
「いや、俺、作るのが面倒だし、お腹空いていたからな」
「そうか。ちなみに、どこら辺に神はいるのだ」
「俺、神様がいるし、チーズは好物だからな。あと、俺、チーズ嫌いだからこのチーズナマコは好きじゃないな、食べるならこれだな」
と言って、俺は山盛りのチーズナマコをむさぼりながら食べた。
「食べ終わったならば拙者を差し出すがどうなる?食い殺すぞ?」
「あーそうだったな、じゃ、チーズの代わりにチーズナマコ食おうぜ」
「わかった、我が水戸光圀を差し出せい」
「うん、それじゃ、お前、これ持て」
俺は水戸光圀を差し出す。
「うむ、これは何だ?これは、チーズナマコ、これはもうすこしチーズが入っているからな、少し味が薄くなっている」
「俺は、これからお前たちの料理を食うから何も言わず持っていてくれ」
「そうするかの」
「それに俺はチーズが好きなんだ」
「うむ、わかったわい」
そして二人がチーズナマコを食べ終わった。
「あ、チーズナマコ美味しかった、ありがとう」
「ああ、チーズナマコ食べただけで十分じゃったぞ。その食べ方は反則じゃな、これも神の思し召しと言うのだろう」
「それだけならまだなんとかなっただろ。俺のチーズナマコを食べてみたが良い口触りだったからな、これにチーズナマコを乗せて、チーズナマコはチーズの代わりにのせてくれれば完璧だからな」
「うむ、それなら大丈夫じゃ」
「そうだな、でも流石にチーズナマコを食べるのはマズいと思うぞ」
「そうじゃのう、それならば神の料理からヒントがもらえるのじゃ」
「神の料理からヒントを見つけるのか・・・」