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私の世界 第2話 施設の子
入口には職員さんや他の子どもたちが様子を見にきていた。ここが私がこれから暮らす場所か...。
「こ、こんにちは」
「こんにちは、待ってましたよ。さあ中へどうぞ」
私が話しかけると、施設の代表者の中年のおばさんがにこにこしながら中へ案内してくれた。
周りに集まっていた子たちは、高校生くらいの子と、小学校くらいの子たちが、だいたい10人くらいいた。
中に入ると、見た目とおんなじくらいすっごくきれいな場所だった。
「この施設はね、羽唯ちゃんみたいな子達もいれば、事故とかでお母さんお父さんがいなくなっちゃった子もいるのよ。」
と、おばさんが説明してくれた。
「よし着いた。ここが羽唯ちゃんがこれから暮らす、幼稚園クラスよ。」
部屋に入ると、男の子が5,6人、女の子も同じくらいいて、たくさんのおもちゃとかベットとか、あと棚があって、とっても広くて楽しそうだった。
「ここの部屋にいる子達でね、おさんぽにいったりするんだよ。」
と教えてくれた。
みんなは遊びをやめてこっちに注目してきてちょっと緊張した。
「羽唯ちゃん、自己紹介お願いね。」
と、おばさんが小声で言った。
「は、初めまして!如月羽唯です!5歳です!よ、よろしくお願いします!」
よし、言えた...!
「これから一緒に暮らす羽唯ちゃんね。新しいお友達よ。仲良くしてね。」
「「はーい!」」
「それじゃあ私は手続きとかもあるし、一旦戻っちゃうから...。みんなと仲良くね。違うお部屋には行ったらだめよ。」
「わかりました。」
「よし、じゃあみんな仲良くね〜」
そういうとおばさんは出ていった。
みんなの方を振り返るとみんながこっちを見ていた。
「ねえ、なまえういちゃんっていうの?わたし、めい!よろしくね!」
「私さよだよ!6歳!困ったことあったら教えて!なんでも教える!」
「わ、わたしはかな...。よ、よろしくね...」
「俺、たくやな。お前と同じ年」
「俺はゆうた!よろしくな!!」
「「よろしく!」」
「わ、えっと、よろしくね。」
みんながいっきに話しかけてきてちょっとびっくりしたけど、楽しそうでなんだか安心した。
私はそのとき気づかなかった...
ドアの後ろに小学校クラスの男の子たちがニヤニヤしながら立っているのを...
前回より少し短かったかもですけど、見てくれてありがとうございました!
ー次回予告ー
第3話 誰のしわざ?