公開中
まだまだのらねこ
吾輩はねこである。名前はまだない。
浅野 音:猫っぽいキメラ。好物はささみで、手が器用。
白 善:付喪神。団子が好物で、よく音を困らせる。
その他モブ
・肉屋のおばちゃん
優しい。お人よし。
天気の良い昼下がり、僕は近くの商店街に来ていた。ここの商店街の肉屋こと「ハシモト」はここらでもちょこっと有名で、メンチカツが絶品。おもわず香ばしいにおいに誘われて足を速め、レジの横のベルを鳴らすと、どかどかと音を立てて奥からおばさんがでてくる。
「あらぁ~音くんまた来たの!!何にするの?」
「鶏モモ肉を二枚ほど…あとメンチカツを2つ」
「いつもと同じね~、ちょっと待ってなさい」
肉屋のおばちゃんは恰幅のいい体をゆらして、店の奥に消えていった。鶏もも肉はショウウィンドウに並べられているから、きっとメンチカツを包みに行ったんだろう。今日のにおいはいつもと違うし、もしかしたら揚げたてかもしれない。程よくしなっとしたのもおいしいけど、やっぱり揚げたてが一番おいしい。
「これ先ね、メンチカツ。揚げたてだから気を付けてね」
「どうも」
「鶏もも肉と、あとこれおまけ!」
「こんなに…?」
「いいのいいのよぉ!どうせ余っちゃうんだし!」
「ど…どうも…」
押し付けられるように渡された袋を覗くと、鶏もも肉が一枚増えていたり、牛のひき肉だったり…豚肉の端切れや、鳥皮、なんなら牛脂だって混じっている。なんだか、おまけが多い気がする。
「これ…お金です」
押しつけ商法ってやつか?さすがにそれはないかなと思いながら一応おまけ分のお金を置こうとすると、買った分だけでいいといわれた。もしこれをだれにでもやってるなら、お店がつぶれたっておかしくない…お人よしが過ぎる。
「音くんはまだ子供なんだから、いっぱい食べて大きくなるのよ~」
ぽんぽんと頭をなでられ、なんだか少しうれしくなった。それからぼくは大荷物を手にして、商店街を後にした。
---
「おかえりぃ~って、なんですかその荷物」
「おまけもらった」
「あなた野良猫かなんかかと思われてるんじゃないんですか?」
「むぅ…」
「あえ、鳥皮あるじゃないですか…揚げてくださいよ」
「自分でやれよ…」
どさりと荷物を置いて、中からメンチカツを取り出して手渡すと、つくもはなんだか怪しそうに見つめてからすんと嗅いだ。別に毒なんかまぜてなんかいないのに。
「なんですか、これ…」
「メンチカツ、死骸と玉ねぎの塊揚げたやつ」
「言い方……」
そういいながらもつくもはメンチカツをおとなしく受け取って、一口食べて、ぶるりと身を震わせた。がつがつとメンチカツはあっという間に食べられ、のこったのは小さな揚げカスたち。お気に召したらしい。
「音さんいらないなら食べちゃいますよ」
「あげんわこのあほ」
「どけち」
キャラ紹介気になるのであらば我が母体のページに飛ぶんじゃ
といっても君が見つけ出せるかはこちらの知りえることではないのじゃ